
日本人は長時間の通勤や労働、骨格などさまざまな要因により、首や肩にこりを生じやすいといわれています。巷では解消グッズなども多く見られますが、なかなかとれずに根本原因から治したいという方も少なくないと思います。そこで、今回は、首や肩こりの原因と対処法についてお教えします。
首や肩にこりができる原因は?
冒頭で首や肩にこりを感じてしまう要因の1つとして骨格を挙げました。日本人の骨格は欧米人などと比較すると、線が細く華奢です。しかし、頭部の大きさは同じため、体重の8~13%ほども占める頭部を支えると、欧米人よりも首や肩に負担がかかってしまうことがわかります。
しかし、同じ日本人、オフィスワーク、仕事においても首や肩にこりを感じる人とそうでない人が出てくるには、理由があります。さっそく首・肩こりが生じる原因をみていきましょう。
筋肉疲労
同じ姿勢、偏った体重の負荷がある場合、一部の筋肉にばかり負担がいってしまい、筋肉が疲労してしまいます。すると、血流の悪化が生じ、筋肉に老廃物が溜まりやすくなり、こりを感じます。
さらに、近年では「ストレートネック」が問題だとされています。これは、スマホや長時間にわたるパソコンの使用により、同じ姿勢が保持されてしまい、本来カーブを描いている首の頸椎がまっすぐになってしまう状態を指します。
5キロくらいある首を支えるだけでも大変なのですが、首の頸椎がバランスを保ってくれるおかげで、うまく負荷が分散しているのですが、頸椎がまっすぐになることでバランスが失われ、本来は5キロほどの頭部の負荷が20キロにもなってしまうことがあるなど負荷が増えてしまうのです。
眼精疲労
目の疲れは頭部の血流悪化を招くといわれており、スマホやパソコンなどの凝視で目が酷使されると、首や肩にまで血の巡りの不良からくるこりが生じてしまいます。
関節の異常
とくに顎関節症など顎の関節に異常をきたしている方は首や肩にこりを感じやすいといわれています。7個の骨から成る頸椎は咬むことでうまく頭部の負荷を分散させているのですが、噛みあわせに問題があり、顎の関節にずれや緊張が生じると、首や肩へも負担が増し、こりが強くなるといいます。
ストレス
ストレスは、全身の血流悪化を招き、首や肩もその影響が及びます。
対処法は?
辛い肩こりや首のこりの原因をみてきたところで、どのように対処すれば症状が改善するのでしょうか?次に対処法をみていきます。
血行を良くする
首や肩に生じるこりの根本原因は、血流不良からくる、筋肉に老廃物や疲労の蓄積が起こることです。したがって、対処法として、痛む患部をあたためて血行を良くするようにしましょう。お手軽な方法として、濡れタオルをレンジであたため、首や肩に巻きます。
温度がぬるくなるまで置きましょう。さらに、老廃物がたまりやすい耳の下から首すじ、鎖骨下にかけてあるリンパに沿って、さするようなマッサージを行うことで、疲労の蓄積を改善できます。
ストレッチ
血流を良くして、筋肉のこりをほぐすためには、ストレッチがおすすめです。簡単にできるものとして、まず、仰向けに寝ます。上体を起こして両肘を地面につきます。
最初は肘と体のあいだで三角形を描いているようなイメージですが、肘を曲げて徐々に上体を地面に近付けていきます。これで肩甲骨周りの筋肉が伸び、血行も促進され、首や肩のこりの改善につながります。
まとめ
慢性的になることもある、首や肩のこり。姿勢の悪さや血行不良など原因究明をして、あてはまるものがりそうでしたら、是非、ご紹介した対処法を取り入れてみてくださいね。
もし、こりが強く、なかなか治らない、関節にも痛みを感じるという場合は、整形外科での受診を一度受けてみることをおすすめします。