
首の筋肉が痛い。首には筋肉が少なように感じますが、同時に脂肪もほかの部位と比べて少ないため、痛みを敏感に感じやすい部分でもあります。首は肩や頭部とも近いこともあり、周囲にも痛みが広がることがあります。そこで、今回は、首の筋肉が痛いときの原因と対処法をご紹介したいと思います。
目次
首の筋肉が痛む原因は?
首は体重の8〜13%もの重さを占める頭を支える大切な役割があるほか、神経やリンパ腺など生命維持に欠かせない重要な器官を秘めています。
昨今、首にかかる負担はスマホやパソコンの使用時間の長さに比例して増しているといえます。首の筋肉の痛みといってもさまざまな原因が考えられますので、以下に挙げてみます。
ストレス
ストレスで首の痛みというと意外かもしれませんが、ストレスを感じると興奮やリラックスを司る自律神経が乱れます。興奮状態である交感神経とリラックスの副交感神経は睡眠や気分転換、仕事など状況に応じてどちらかが優位になります。
しかし、ストレスによってこのバランスが崩れると、リラックスできずに緊張状態が続き、血流が悪くなることで筋肉にこりを生じます。
頚椎ヘルニア
首には頚椎という骨があり、この骨が柔軟にバランスを保つことによって、思い頭を動かしたり、支える役割をしています。しかし、姿勢の悪さや体にとって無理のかかる姿勢を続けることで、頚椎にずれが生じて神経を圧迫して痛みを起こします。
ストレートネック
近年よく聞くようになったストレートネック。本来首はしなやかに動けるよう湾曲した形をしていますが、長時間にわたるパソコンの使用やスマホ画像を眺めるなどの姿勢をとることによって、首の骨のカーブが失われ、首の筋肉に負荷をかけて痛みをもたらします。
肩関節周囲炎
四十肩や五十肩などの呼ばれ方で知られていますが、これはそもそも、加齢によって肩関節周りの腱がこすれることによって炎症が起き、痛みを感じます。肩と近い首にもその痛みが伝わるほか、手などにもしびれを感じることがあります。
首の筋肉が痛むときの対処法は?
首の筋肉に痛みを覚えることから考えられる原因をみてきました。では、どのように対処すべきなのでしょうか。一つずつみていきましょう。
ストレスの場合
肉体的なストレスはもちろんのこと、精神的ストレスも首の痛みに大きくかかわっています。無理をしないことは言うまでもありませんが、仕事が終わらず長時間残業や疲れがたまることももちろんあると思います。
そうしたときは、リラックス効果と消炎作用のあるカモミールティーやペパーミイントティーを休憩がてら飲んでみたり、首にカイロを当てて温めるなどして血流の改善を行いましょう。
頚椎ヘルニアの場合
神経にまで症状が及ぶため、脳神経外科や整形外科による治療を行いましょう。治療は重度でないかぎり主に、経過観察と症状の緩和をはかる処置がとられます。神経の痛みをとるブロック注射や神経の回復作用のあるビタミンB12が処方されます。
ストレートネックの場合
ストレートネックの原因は無理な姿勢からきていますので、頚椎の形を本来のカーブに戻してあげることが大切です。手軽にできておすすめなのが、薄手のバスタオルをぐるぐると巻き、棒状にして首の下に敷いて寝ることです。一晩中ずっと続けなくても、1日10分程度行うだけでも効果的です。
肩関節周囲炎の場合
炎症が起きているため、治療には非ステロイド性抗炎症薬が用いられ、炎症と痛みを鎮めます。その後、スムーズな稼動域を取り戻すためのリハビリによる運動能力の回復を行います。
まとめ
首の筋肉が痛む背景にはさまざまな原因が潜んでいることがわかりましたね。共通して大切なことは、首の筋肉に無理な負荷を与えないことです。姿勢が曲がっていないか、一箇所に負荷がかかっていないか、首に痛みを感じたら、今一度思い当たる行動を見直してみましょう。