
1928年にイギリスの細菌学者フレミングがペニシリンを発見しました。これが最初の抗生物質です。それ以降、多くの抗生物質が合成され、薬として使用されるようになると感染症による死亡は劇的に減りました。
現在では、細菌による感染症の治療には抗生物質が広く使用されています。しかし、抗生物質の乱用によって、薬が効かない菌(耐性菌)の出現が問題になっています。
今回は、耐性菌にも効果がある抗生物質のスルペラゾン静注用1g・0.5gの効果や副作用について解説します。
効果
スルペラゾン静注用は、「セフォペラゾンナトリウム(CPZ)」と「スルバクタムナトリウム(SBT)」という2種類の抗生物質の配合剤です。
セフォペラゾンは、第3世代セフェム系に分類されています。細菌の細胞壁の合成を阻害することによって、殺菌的に作用します。β-ラクタマーゼを作る菌は、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質に対して耐性を持っています。
スルバクタムは、耐性菌が作るβ-ラクタマーゼの働きを阻害するので、β-ラクタマーゼによってセフォペラゾンの抗菌力がなくなることを防ぎます。
ブドウ球菌などのグラム陽性球菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属などのグラム陰性桿菌、バクテロイデス属などの嫌気性菌など、多くの種類の細菌に有効です。
これらの菌が原因でおこる、敗血症や感染性心内膜炎、外傷・熱傷・手術後の二次感染、急性気管支炎、肺炎、胆のう炎、腹膜炎、子宮内感染症、腎盂腎炎などの治療に使用されます。
成人には、1日あたり1~2gを2回に分けて静脈内注射で投与します。小児には、体重1㎏あたり40~80㎎を2~4回に分けて投与します。
難治性または重症感染症の場合には、成人には1日あたり4gまで、小児には体重1㎏あたり160㎎まで増量して投与します。
副作用
スルペラゾン静注用による副作用には、AST上昇やALT上昇といった肝機能への影響や発疹やかゆみといった皮膚症状、下痢・悪心・嘔吐といった消化器症状、その他、赤血球数や白血球数の減少、発熱などがあります。
ただし、副作用の発生頻度は、0.1%~1%程度なので、あまり心配することはありません。
また、重篤な副作用として、ショックやアナフィラキシー様症状、急性腎不全、偽膜性大腸炎、間質性肺炎、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、劇症肝炎などがあります。
まとめ
ほとんどの細菌感染症は抗生物質によって治療が可能です。しかし、抗生物質が効かない耐性菌による感染症は治療が難しくなります。
感染症の原因となっている細菌の種類と、その細菌に効果がある抗生物質の種類を見極めて、適切な薬剤を選択して使用することが重要になってきます。
耐性菌が原因となっている場合には、スルペラゾンなど耐性菌にも有効な薬が選択されます。