インフルエンザの治療薬には、タミフルやリレンザ、イナビルやラピアクタなどがあります。特にリレンザとイナビルは粉末状で吸入器を使って服用するので慣れないうちは少し大変かもしれません。ここでは、そんなリレンザの使い方と注意点について解説します。
リレンザとは
インフルエンザウイルスを増殖させるノイラミニダーゼという酵素の働きを阻害することでインフルエンザの症状を緩和させる治療薬です。
一般的なA型・B型のインフルエンザ、加えて2009年に流行したA/H1N1型やAソ連型にも効果がありますが、C型のインフルエンザには効果がありません。
インフルエンザ治療薬として知られているタミフルとは違い、粉末状の吸入薬になっていて、ディスクヘラー®という専用の吸入器を使って口から吸い込むことで服用する薬になります。
インフルエンザのツラい症状を和らげるとともに、治るまでの期間を1-2日短くします。治療薬として、用いられる他予防薬としても用いられています。
基本的な使い方
独立行政法人の環境再生保全機構が、リレンザの正しい使い方を動画で解説しています。たいへん分かりやすいので掲載しておきます。
(動画を見れない方のために簡単に使い方をまとめておきます)
リレンザの使い方
01. リレンザのロゴが書いてある面を表にしてカバーを外します。
02. 白いトレーの端をつかみ、動かなくなるまで横にスライドさせます。
03. 白いトレーのギザギザの部分を押して、トレーを本体から取り外します。
04. ブリスター(薬の入ったディスク)をトレーに乗せます。
05. そのままトレーを本体に戻します。カチッと音がするまで押し込みましょう。
06. 本体を平らに固定しながら、垂直になるまでフタを持ち上げます。
07. フタを閉じます。このとき針でブリスターに穴が空いているかを確認してください。
08. 呼吸を整えて、ゆっくりと空気を吐きます。
09. 隙間のないように吸入口を加えます。側面の空気孔は塞がないでください。
10. 顔を上げ、一気に吸い込みます。
11. 吸入器を口から外し、3-5秒ほど息を止め、薬を肺に留めておきます。
12. ゆっくりと鼻から息を吐きます。
13. 手順の02の動作を繰り返します。このときブリスターが回転します。
14. 手順の08-12の動作を繰り返し、2度目の吸入をします。
15. 2度目の吸入が終わったら、吸入口をティッシュなどで拭いてください。
16. 口の中と喉の奥で3回ずつうがいをします。
17. 使い終わったブリスターは外して捨てましょう。
18. トレーを本体に戻し、カバーを付けて終了です。
子供に使う際の注意点
インフルエンザ治療薬は年齢によって処方されるものが違います。リレンザの場合、5歳未満の子供には処方されません。基本的に5歳以上の子供に処方されます。
小さな子供の場合「吸入器を使って、しっかりと薬を吸い込むことができるか」がネックになってきます。
病院などで吸入方法の説明を受けたら、その場で吸入できるかを確かめてみるのが良いでしょう。もし、吸入が難しいようなら、お医者さんに相談してタミフルを処方してもらうのもいいかもしれません。
また、ブリスターのセットなど、子供では難しい操作もあります。お父さん・お母さんがしっかりとやり方を覚えて、準備ができるようにしてあげてください。
また、タミフルやイナビルといった他のインフルエンザ治療薬と違い、リレンザには大人と子供で摂取量の違いはありません。ですので、その点にも注意してください。ちなみに、容量は1日2回・1回10mg(2ブリスター)になります。
その他の注意点
最後にリレンザの使用上の注意点を載せておきます。
- 薬をこぼさないために、本体を平らにしたまま操作してください。
- 吸ったときに、少し甘く感じるかもしれませんが問題ありません。
- 定期的にトレーを外してブラッシングしてください。
- 汚れがひどい場合には、トレーと本体を水洗いしてください。
まとめ
インフルエンザの治療薬と聞くと異常行動を思い浮かべるかと多いかと思います。リレンザも例外ではないく、(というよりもインフルエンザそのものが異常行動を起こさせるので、) お子さんがインフルエンザに感染したときには、感染・発症後2日間は子供から目を離さないようにしてあげましょう。