リレンザは世界で初めて開発されたインフルエンザ治療薬(=ノイラミニダーゼ阻害薬)で、タミフルと並ぶ代表的な治療薬です。多くの方がインフルエンザを発症するとこれらの薬剤を処方されているのではないかと思います。
そういった中でインフルエンザ治療薬による小児の異常行動が以前から毎年報告されています。そこでどういう原因があって、どのように対処すればいいのか事例を織り交ぜながら述べたいと思います。
原因
結論から言いますと、インフルエンザ治療薬と異常行動についての因果関係ははっきりとしておりません。
研究の報告書によっては因果関係が認められると結論付けているものがあったり、認められないと結論づけているもの両方あります。
また、インフルエンザを発症している患者が、治療薬の服用なしで異常行動を起こしているケースも報告されています。
原因もさることながら薬と異常行動が関係しているのかどうかも分からない状況なのです。
とはいえ、はっきりとわかっていることは「インフルエンザ治療薬を服用している期間に異常行動を起こしている」という事実です。
リレンザをはじめインフルエンザ治療薬を服用しているときに異常行動が出ている報告は確かにありますので注意しなければなりません。
事例と対処方法
子どもさんが突然異常行動を起こした時に冷静に対応できるようにどういう行動があるのかをおさえておきたいと思います。
まず、異常行動は10代の子どもさんに多く、インフルエンザを発症してから2日以内の比較的熱が高いとき、特に寝起きに起こしているケースが多いようです。
症状は本当にケースバイケースですが、主に報告されているものが、「家から突然飛び出す」、「窓から飛び降りたりする」というものです。
それに付随して、「わけのわからないことを言い出す」、「話しかけても反応しない」、「突然笑い出す」ということもあります。
2012年2月にはイナビルを処方された10代の子どもさんが転落死するという報告がありました。こういう症状が出たら、即座にイナビルの服用を中止してすぐにかかりつけの小児科に相談してください。
具体的な対応策としては熱が下がるまで極力子どもを1人にしておかない、お住まいがマンションで高い階である場合や子供部屋が2階にある場合などは簡単にベランダに子どもさんが出ないような措置をしておくことも大切です。
最後に
以上のように因果関係があるなしに関わらず、異常行動は起こりますし下手をすると最悪のケースを招く恐れがありますので極力子どもさんから目を離さずに近くにいてあげることが大切です。