
頭皮のかゆみは皮膚の炎症によるものです。炎症がおこっている皮膚組織には肥満細胞や白血球が多く集まっています。
肥満細胞からは、かゆみやはれをひき起こすヒスタミンが放出されます。白血球では、炎症を悪化させるさまざまな物質が作られます。これらの物質が神経を刺激して、かゆみをおこします。
今回は、そんな頭皮のかゆみや湿疹の治療薬・ムヒHDの効果や副作用について解説していきます。
効果
ムヒHDには、効果の高いランクに分類されるステロイド成分が配合されており、優れた鎮痒作用のあるお薬で、ローションタイプで患部に直接塗ることができます。
頭皮のかゆみはもちろん、その他の部位のかゆみや湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、蕁麻疹、虫刺されにも効果があります。
有効成分のプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)はステロイド成分で、かゆみの元となる炎症をおさえます。
ジフェンヒドラミン塩酸塩には抗ヒスタミン作用があり、かゆみの元となるヒスタミンの放出を抑え、かゆみをしずめます。l-メントールは塗ったときにスーッとする清涼感をあたえ、かゆみをはやくしずめます。
アラントインとパンテノール(プロビタミンB5)は、あれた皮膚の修復を助けます。 イソプロピルメチルフェノールには殺菌作用があり、患部に細菌が感染するのを防ぎます。
使用方法は1日数回・適量を患部に塗布してください。5~6日使用しても症状が改善しない時は、使用を中止して医師の診察を受けるようにしてください。
副作用
ムヒHDに配合されているステロイド成分(PVA)はアンテドラッグ型なので、薬を塗布した部分では高い効果を発揮しますが、体内に吸収されるとすぐに分解されて作用が弱くなるように作られています。そのため、副作用が出る心配はほとんどありません。
ただし、皮膚の発疹や発赤、かゆみ、水虫・たむし等の白癬、にきび、化膿症状などは副作用の可能性があります。このような症状がでたら、使用を中止して医師や薬剤師、登録販売者に相談してください。
まとめ
頭皮はもともと毛穴が多く、皮脂や汗の分泌が多い部位です。過剰な皮脂や汗が刺激となって炎症をおこします。洗髪不足は頭皮のかゆみの原因になります。
しかし、シャンプーのしすぎで皮脂を落とし過ぎると皮膚が乾燥し、正常なバリア機能を低下させます。バリア機能が低下すると炎症やかゆみをおこしやすくなります。ストレスもバリア機能を低下させます。
このように頭皮のかゆみの原因はいろいろあります。一度炎症がおこると、シャンプーで汚れや刺激物を落とすだけではかゆみはなかなか治りません。炎症が長引くと、抜け毛にもつながります。お薬を使って、早く治しましょう。