不眠などは自立神経のバランスを乱し、イライラしたり貧血気味になるなど体調不良の原因となります。このような症状は自分でコントロールするのが難しく薬剤が必要になることもあります。
漢方薬は穏やかな効き目のため自律神経が乱れて起こるような精神症状に用いられることがあります。今回は「加味帰脾湯(カミキヒトウ)」の効果や副作用について解説します。
効果
加味帰脾湯は、15種類の生薬を配合した貧血や不眠、神経症などに効果のある漢方薬で、主な効能には貧血、月経不順、不眠症、自律神経失調症、精神不安、神経症など不安や緊張感などを鎮めて寝つきを良くする効果があります。また、虚弱体質で血色の悪い方に適した処方となっています。
漢方薬はそれぞれの生薬が体内で働くことで効果を発揮します。1日の分量を2回〜3回に分けて食前か食後2時間〜3時間経過した食間に内服することで効果が得られやすくなります。
成分とそれぞれの効能は以下の通りです。
- 「人参(ニンジン)」は、新陳代謝を高め、体を温める効果があるほか、胃を健康に保つ作用が得られます。
- 「蒼朮(ソウジュツ)」または「白朮(ビャクジュツ)」は、胃腸の調子を整え、精神を鎮めてくれる作用があります。
- 「茯苓(ブクリョウ)」は、滋養強壮作用で体力を増強させ鎮静効果があります。
- 「甘草(カンゾウ)」や「大棗(タイソウ)」には緊張を和らげる作用があります。
- 「生姜(ショウキョウ)」は、新陳代謝を高め食欲を増進する働きがあります。
- 「酸棗仁(サンソウニン)」は、精神を安定させて、疲労を取り除き心地よい睡眠に導く作用があります。
- 「竜眼(リュウガン)」は、血液の量を増やし貧血を改善する効果や滋養強壮の他、精神を鎮める作用を持ちあわせた生薬です。
- 「遠志(オンジ)」は、抗炎症作用があります。
- 「当帰(トウキ)」は、血液の循環を促し、貧血や月経痛などに効果があります。
- 「黄耆(オウギ)」は、疲れを取り除き、体力を増強させます。
- 「木香(モッコウ)」は、健胃作用や鎮静作用で精神を鎮めてくれます。
- 「柴胡(サイコ)」は、解熱・消炎効果のほか、精神状態を安定させる効果があります。
- 「山梔子(サンシシ)」は、のぼせやイライラ感を取り除く、不眠を改善してくれる効果があります。
副作用
生薬を配合した安全性の高い漢方薬でも副作用が起こることは多少あります。主な副作用は、皮膚の発赤や発疹、痒みの他、胃部不快感、食欲不振、吐き気、下痢などが見られることがあります。重篤な副作用が起こることは稀ですが、甘草の大量内服により偽アルドステロン症を引き起こす恐れがあります。
内服してから血圧上昇や浮腫み、倦怠感、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のふるえ、力が入らない、低カリウム血症など見られたら内服を中止して医師の診察を受けるようにして下さい。また、持病があり漢方薬や他に薬を内服している方は医師や薬剤師に相談してから内服しましょう。
まとめ
加味帰脾湯は主に精神状態の安定していない方に処方される漢方薬です。不眠は体が疲れるだけではなく、自律神経が乱れて体の各所に悪影響をおよぼします。漢方薬は穏やかな効き目で副作用も少ないのでこの様な症状がある時に内服すると効果が実感できるでしょう。