風邪をひいても病院に通う時間がない場合、ドラッグストアで市販の風邪薬を購入して対応される方も多いのではないでしょうか。
その中で漢方薬である「葛根湯 (かっこんとう)」がよく勧められます。「風邪=葛根湯」とイメージされる方もいるほどです。今回は、葛根湯の効果・効能についての記事になります。
漢方薬について
一般的に漢方薬はウイルスや病原菌を死滅させることを目的としている西洋の薬剤とは違い、自分の免疫力を高めることによってさまざまな症状を改善するのが目的です。
ですので、一般的に葛根湯に限らず漢方薬の効能・効果はその成分により多岐にわたります。
効果・効能
葛根湯は葛根という葛 (くず)の根っこが主成分で、麻黄 (まおう)、桂枝 (けいひ)、生姜、芍薬 (しゃくやく)、甘草、大棗 (たいそう)という7種類の生薬から作られています。
葛根は発汗や解熱作用、麻黄には交感神経刺激作用のあるエフェドリンという成分が含まれていますので、咳症状の緩和、桂皮には発汗・発散作用があると言われています。
また生姜には体を温めて発汗を促す効果とのどの炎症を抑える効果、芍薬には痛みをやわらげる効果、甘草には炎症・アレルギー症状の緩和、大棗には鎮静作用があると言われています。
このように各生薬にさまざまな効果があるので、葛根湯としていろいろな症状に効果が期待できるのです。その中で特にかぜの引き始めには効果があります。
風邪に対する効果・効能
体を温めながら発汗を促し、血行や代謝機能を高めることでウイルスや細菌に対する免疫機能を高めるのです。
逆を言えば、すでに熱が高くなってしまっている場合や汗をたくさんかいているような状態では効果があまり期待できません。
のどがイガイガしてきたとか少しぞくぞくするなと感じて風邪かもしれないと感じたら早めに葛根湯を飲んでおきましょう。風邪の初期症状の段階で飲むことが重要です。
また頭痛、肩こり、首筋や背中のこわばり、筋肉痛やじんましん、そのほか鼻炎など本当に幅広い症状に効果があるとされています。中にはインフルエンザにも効果があったという報告もあります。
それともうひとつ葛根湯を飲むメリットがあります。それは飲んでも眠くならないということです。通常風邪薬には抗ヒスタミン作用を有する物質が含まれているのでどうしても眠くなります。
葛根湯には眠くなる成分は含まれていませんので、サラリーマンや車の運転や機械の作業をする方には大きなメリットです。
最後に
葛根湯について、参考にしていただければと思いますが、葛根湯を薬局で購入する際には、症状を含め薬剤師さんに相談してみてください。