今年は暖冬でインフルエンザが流行らないのか?と思っていたら、年が明けてから急に寒くなり、本格的な流行期に突入してしまいました。
インフルエンザだと診断されると抗インフルエンザ薬が処方されますが、今回は、その中でもわりと新しいイナビルの効き目について調べてみました。
効き目に関して
イナビルはインフルエンザの治療薬として2010年10月に発売されました。抗インフルエンザ薬のタミフル、リレンザに比べて効果が高いと言われています。
それは薬が進化していくと共にウイルスも変化していくため、イナビルは初期に発売されたタミフルやリレンザよりも新しいので、最も耐性を持たれていないはずだから効果が出やすいのです。
作用
ここではイナビルの作用について簡単にみていきたいと思います。イナビルはラニナミビルというノイラミニダーゼ阻害薬と呼ばれる種類の薬です。インフルエンザウイルスが体内に進入すると、始めに細胞へ吸着します。
その後ウイルスは自分と同じウイルスのコピーを、感染した細胞内にたくさん作りだします。その細胞から複製されたウイルスがドンドン放出され、さらに別の細胞に入り込んで感染していくのです。
ノイラミニダーゼはインフルエンザウイルスの突起の部分を言います。感染した細胞からウイルスが外に出る時に感染細胞の膜を破る働きをします。イナビルはこのノイラミニダーゼの働きを阻害してインフルエンザウイルスが外に出ていかないようにする薬です。
特徴
吸入薬として口から吸い込むことでインフルエンザによる感染症を治療します。インフルエンザウイルスは肺や気管支に感染するので、パウダー状の薬を吸い込むことでウイルスが存在する肺や気管支に直接作用します。
効かない時の対処法
イナビルは吸入することで熱を下げるのではなく、発熱の期間を1日程度短くする薬になります。身体の中のウイルスを増やさないようにして回復を早める効果があるからです。
そのため症状が治まらなかったとしても、薬の効果が出ている可能性があります。その他にも効果が見られない場合もあります。
①服用するタイミング
イナビルは前提として、インフルエンザが発症してから48時間以内に服用しないと効果がみられないとされています。
②併発していた風邪の悪化
インフルエンザの治療薬なので、普通の風邪を併発してしまった場合は効果が期待出来ません。
③服用の仕方を間違えてしまった
一回だけの吸入なので便利な反面、失敗すると後戻りが出来ません。そのため子供や高齢者は注意が必要になります。
最後に
イナビルを服用してから2-3日してもインフルエンザの症状が悪化していく場合は、肺炎などの他の合併症も考えられます。
高熱が続く、咳が止まらない、何も食べられないなどの症状があるときは、直ちに病気へ行きましょう。回復傾向にあるならば、安静に暖かくし、水分を摂って様子を見ましょう。