
漢方では、めまいは体の中の水分が停滞したり、偏在したりすることでおこると考えています。
ただ、実際には、めまいの原因はさまざまです。自律神経のバランスの崩れや、内耳などの平衡器官の異常、脳の障害でもめまいがおこります。
今回は、そんなめまいや立ちくらみを改善する「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」の効果や副作用について説明していきます。
効果
苓桂朮甘湯は、「傷寒論」という中国の古い書物に記載されている漢方薬です。
体が虚弱で低血圧や冷え性などがあり、体内の水分が滞りがちな人に適したお薬です。めまいや立ちくらみ、動悸、のぼせ、耳鳴りなどの症状を改善します。
「茯苓(ぶくりょう)」「桂皮(けいひ)」「白朮(びゃくじゅつ)」「甘草(かんぞう)」という4種類の生薬が配合されており、それぞれの生薬の漢字を一文字ずつ取って、苓桂朮甘湯という名前が付けられています。
茯苓と白朮には、尿量を増加させ、体内の水の滞りを改善する作用があります。白朮には消化吸収を助ける働きもあり、甘草と一緒に働いて、体の気(エネルギー)を補います。
桂皮には身体を温める働きがあるので、血流を良くして冷えを改善します。甘草には肝機能を高める働きがあります。また、動悸をおさえる作用もあります。飲みやすいエキス剤は、複数の製薬会社から市販されています。
用法・用量は、症状や年齢によって異なりますので、添付文書を参照してください。通常は1日に2~3回、空腹時(食前または食間)に水またはぬるま湯で服用します。
体内に水分が滞りがちな人は、胃腸虚弱の人も多いので、身体を冷やさないためにもぬるま湯で服用した方がいいでしょう。
副作用
苓桂朮甘湯は、副作用の心配はほとんどないお薬です。ただ、飲み始めに軽い吐き気や胃の不快感、食欲不振を感じる人もいるようです。ですが、飲み続けるうちに慣れてきて、それらの症状はなくなります。
めったにありませんが、重篤な副作用として、「偽アルドステロン症(だるい、血圧上昇、むくみ、筋肉のふるえなど)」がおこることがあります。これは、甘草の大量服用によっておこる症状です。
甘草やその抽出成分のグリチルリチンが配合されている薬と一緒に飲む場合は、特に注意してください。気になる症状があれば、医師や薬剤師に相談するようにしてください。
まとめ
漢方では、胃腸機能が体内の水分量を調節していると考えられています。めまいや立ちくらみなど、水分が滞りがちな人は胃腸に負担をかけないようにすることで、めまいなどの症状が軽くなることがあります。
冷たい飲み物の摂りすぎたり、暴飲暴食をしないように気をつけましょう。胃腸はストレスに敏感な臓器でもあるので、あまりクヨクヨ悩まず、明るい気分で過ごすようにしましょう。