漢方薬は、症状や体質に応じてさまざまな生薬を組み合わせて作ります。そのため、同じ症状でも人によって生薬の組み合わせは違います。
本来は生薬を煎じたものを服用しますが、今は便利なエキス剤(煎じ薬を濃縮乾燥させたもの)が使われます。今回は、「柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)」の効果や副作用について説明していきます。
目次
効果
柴胡加竜骨牡蛎湯は、漢方の原典「傷寒論」に記載されている漢方薬です。精神不安、イライラ、不眠、動悸、胸苦しさ、便秘、倦怠感などをやわらげる効果があります。
体力が中程度以上の高血圧症や神経症、不眠症、更年期障害、小児の夜泣きなどの治療に使用されます。一般的には下記の11種類の生薬が配合されています。
エキス剤はいくつかの製薬会社から販売されています。(ちなみに画像は「ツムラ漢方」から販売された商品になります。)
使用方法はそれぞれの添付文書を参照してください。年齢や症状によっても用量は違ってきます。基本的には1日2~3回、食前または食間に服用します。
柴胡(サイコ)
セリ科のミシマサイコの根です。肝機能の調整、解熱、鎮静などの作用があります。
竜骨(リュウコツ)
哺乳類の骨の化石です。強壮、鎮静作用があります。
牡蛎(ボレイ)
イボタガキ科のカキの貝殻です。胃痛や動悸に効果があります。
黄芩(オウゴン)
シソ科のコガネバナの根です。解熱、消炎、吐き気をおさえる作用があります。
大黄(ダイオウ)
タデ科植物の根茎です。消炎、健胃作用があります。下剤としても使用されます。
半夏(ハンゲ)
サトイモ科のカラスビシャクの塊茎です。鎮咳、去痰、利尿作用のほか、吐き気をおさえたり、胃のつかえ感などにも効果があります。
人参(ニンジン)
ウコギ科のオタネニンジンの根です。健胃、強壮、補血作用があります。新陳代謝を促進する作用もあります。
茯苓(ブクリョウ)
サルノコシカケ科のマツホドの球形菌体です。利尿、強壮、鎮静作用があります。
桂皮(ケイヒ)
ニッケイの根や枝です。健胃、解熱、鎮痛作用があります。
生姜(ショウキョウ)
ショウガの根茎です。健胃効果が高く、食欲不振、悪心、嘔吐に効果があります。
大棗(タイソウ)
クロウメモドキ科のナツメの果実です。鎮咳、鎮痛、強壮、アレルギー、利尿などの作用があります。
副作用

柴胡加竜骨牡蛎湯は漢方薬なので、副作用はあまりありません。しかし、人によっては飲み始めに胸のムカつきや食欲不振、皮膚に発疹や発赤が出ることがあります。
また、ダイオウを含むので、下痢や腹痛が起こることもあります。加えて、虚弱体質の人や胃腸が弱い人、下痢や軟便を起こしやすい人は注意して服用するようにしてください。
さらに、ごくまれにですが、重篤な副作用として、間質性肺炎や肝機能障害が起こる可能性があるので気をつけるようにしましょう。
上記のような気になる症状が出たら、服用するのをやめて医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
まとめ
柴胡加竜骨牡蛎湯は、漢方薬の基本処方である小柴胡湯(ショウサイコトウ)からカンゾウを除いて、鎮静作用のある生薬成分を加えた処方になっています。ストレスなどによるイライラや睡眠不足、胃痛などに悩む人におすすめです。