私たちの心臓は1日約10万回も拍動しています。この心臓にたくさんの栄養や酸素を届けているのが冠動脈です。
冠動脈に何らかの障害が起こるとたちまち心臓は酸素不足になって狭心症の症状を起こしてしまうのです。
また、狭心症は原因や症状によって分かれています。今回は、その中のひとつである異型狭心症について調べてみました。
異型狭心症とは
心臓の表面にある太い冠動脈がケイレンすることで起こります。ケイレンが起こると、冠動脈の血流が低下して胸痛などの心筋障害が発症します。異型と呼ばれるのは運動中ではなく安静時に起こることと、発作中の心電図に特徴的な変化がみられるためです。
異型狭心症の診断はいくつかの検査結果を見てからになりますが、労作性狭心症のような特徴的な変化がみられにくいため、ホルター心電図をつけて24時間の心電図をみます。
その他にも、心臓カテーテル検査時に冠動脈のケイレンを誘発する薬剤を直接冠動脈に注入し、症状、心電図変化、血液造影所見から診断します。
症状一覧
異型狭心症は、決まった時間帯やきっかけにより症状が現れます。夜間から早朝に出現することが一般的ですが、タバコを吸った時やお酒が飲んだ次の朝などに起こることもあります。安静時に起こることが特徴的です。主な症状をあげてみます。
- 胸が痛む
- 胸が圧迫される
- 胸が締め付けられる
- 息が切れる
- のどの違和感
- 肩の違和感
原因一覧
はっきりとした直接的な原因はわかっていません。動脈硬化などの状態になっていなくても突発的に起こります。女性に多くみられるために、ダイエットなどによる血流障害が関係しているともいわれています。
しかし、日常生活の中で考えられる誘因はいくつかあります。
- 心身の疲労
- ストレス
- 喫煙
- 興奮して激怒する
- 寒冷
- 女性ホルモンの減少
- 飲酒
治療法・治療薬一覧
異型狭心症の治療は原則として薬物療法になります。
カルシウム拮抗剤
高血圧の治療に広く使われている薬です。血管を拡張させて心臓の負担を軽減し、酸素の消費量を減少させます。冠動脈のケイレンを抑えます。
硝酸剤
冠動脈や末梢の血管を拡げて心臓の負担を軽減します。
冠血管拡張剤
冠動脈だけを拡張するニコランジルなどがあります。
その他にも
発作時には、他の狭心症と同じようにニトログリセリンなどの即効性亜硝酸薬を使用します。発作が落ち着くまでの時間が短縮するなどの有効性を認めた場合は、より異型狭心症の可能性が高くなります。
最後に
異型狭心症は診断が確定しづらい狭心症ですが、一般的に深夜から明け方に胸の痛みなどの症状が現れることが多くみられるので、そのような疑いがあったらすぐに病院で検査を受けてください。
過度な疲れやストレスも症状が出るきっかけになります。日常生活でもゆったりとした時間を作るようにしましょう。