風疹は、抗体検査を受けることで、かかりやすいかどうかを知ることが可能です。特に妊婦が感染してしまうと生まれてくる子供にまで影響を及ぼします。今回は、そんな風疹の抗体検査の料金や時間、結果の見方ついてまとめてみました。
風疹と抗体検査
以前は、子供が多く感染していた風疹、近年は、20-40代の大人に多く見られるようになっています。特に、妊娠初期(3ヶ月以前)の妊婦が感染した場合、胎児にも影響を及ぼします。
具体的には、
- 心臓の奇形
- 目が見えにくい (白内障など)
- 耳が聞こえにくい (難聴)
- 精神・運動の発達が遅れる
など生まれた子供が障害をもっている可能性がとても高くなり、これを先天性風疹症候群と呼びます。
こういった症状が見られるので、妊婦を風疹の感染から守ることはとても重要です。これから妊娠をお考えの女性、パートナーや家族、周囲の人が予防接種を受けて、予防していく必要があります。
先天性風疹症候群の予防のためにも出産年齢の女性、妊婦のパートナーや家族など妊婦に接する機会の多い人、出産可能な女性の多い職場の人は、積極的に予防接種や抗体検査を受けましょう。
料金
風疹の抗体検査は、多くの医療機関で実施されています。抗体検査の費用は、医療機関によって、また、検査の種類によって異なりますが、一般的に3,000-5,000円程度のようです。
自治体によっては、現在も妊娠を希望する女性やそのパートナーに対して、無料または、一部負担など助成を行っているところもありますので、お住まいの地域の保健所にお問い合わせをしてみてください。
時間
風疹の抗体検査の結果が出るまでは、大体1週間程度かかるようです。抗体検査で十分な抗体があれば、予防接種を受ける必要はありません。
早く、予防接種を受けたいと考えている人は、抗体検査を受けずに予防接種を受けることも可能です。
十分な抗体があって予防接種を受けたとしても、特別な副反応が起こることはないといわれています。ただし、妊娠している人は、予防接種は受けられません。
結果の見方
風疹の抗体検査は、正式には風疹抗体価検査といいます。血液検査で、「HI法」と「EIA法」の2種類があり、HI法とEIA法では、検査する抗体の種類が異なります。
HI法の場合
検査結果は、8倍未満、8倍、16倍、32倍・・・と8の倍数で表されます。
- 8倍未満:陰性で抗体なし
- 8-16倍:抗体があっても不十分
- 32-126倍(基準値):適度な抗体あり
- 256倍以上:最近風疹にかかった疑いあり
EIA法の場合
使用するキットによって値が異なるようですが、日本で最も使用されているキットでは以下の通りです。
- 8未満:抗体がない、またはあっても不十分
- 8-45 (基準値):適度な抗体あり
- 45以上:最近風疹にかかった疑いあり
抗体の数値が基準値より低い場合は、風疹ウイルスに対する免疫がないまたは、不十分な状態です。予防接種を受けるようにしてください。
ただし、妊娠している人は、予防接種を受けることはできませんので、パートナーや家族に予防接種を受けてもらいましょう。
また、人混みは避けるようにし、手洗い・うがいを習慣づけましょう。出産後は早めに予防接種を受けましょう。
抗体の数値が基準値より高い場合、比較的最近、風疹にかかったことで、体の免疫系が風疹ウイルスに対する抗体をいっぱい作ったため、高い値になっている可能性があります。
細菌感染かどうかを確認するため、再度抗体価検査、さらに、IgMという抗体を調べるなどの精密検査が行われます。
最後に
風疹の抗体検査は、予防接種のできない妊婦の方にとって、とても重要な指標となりますね。しかし、妊娠してからでは、抗体価が低くても予防接種を受けることができません。
不安なく妊娠生活が送れるよう、妊娠を希望したら、早速、生理中かその直後に予防接種を受けた方が良いですね。接種後2ヶ月間の避妊はお忘れなく。