女性にとっておそろしい病気であるリウマチ。関節が変形してしまうことから、見た目も変わってしまうので、できればなりたくないとお思いの方がほとんどだと思います。今回は、血液検査から見るリウマチについてご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
血液検査の結果から見るリウマチ
はじめに、血液検査だけでは関節リウマチの確定診断はできないことを覚えておいてください。現在、関節リウマチの診断基準は、アメリカリウマチ学会の分類基準が広く用いられています。
その基準は7項目あり、そのうち4項目が当てはまれば、関節リウマチと診断されます。以下にその7項目をご紹介します。
朝のこわばり
関節とその周囲で1時間以上持続する
3ヶ所以上の関節炎
3ヶ所以上で同時に出現した腫れまたは関節液の貯留(医師による確認が必要)
手の関節炎
手の関節のうち、1ヶ所以上での腫れ
対称性関節炎
同時に両側の同じ部位での関節炎が起こる
リウマトイド結節
皮下に結節が存在(医師による確認が必要)
リウマトイド因子(RF)
健常人の陽性率が5%を超えない方法で確認されたもの(医師による確認が必要)
手の関節のレントゲン写真での異常
関節が障害されていること、それに接して限局する骨のびらん像、または明らかな骨の異常
この7項目のうち、リウマトイド因子のみが血液検査結果からわかるものです。
そのため、血液検査の結果だけで勝手に関節リウマチだと自己診断しないように注意してください。あくまでも参考にすることが大切です。
血液検査で見るべき項目
以下にリウマチを疑ったときの血液検査で見るべき項目を記載します。
リウマトイド因子(RF)
関節リウマチの診断に長く用いられてきたものです。感度は約69%なのですが、関節リウマチ以外の膠原病や肺・肝臓の疾患、高齢者などで陽性と判断されることもあり、他の症状と合わせて見ることが大切です。
しかし、このリウマトイド因子と関節リウマチの重症度は比例していますので、チェックすることが必要です。また、診断基準のうちの1項目です。
抗CCP抗体
リウマトイド因子よりも関節リウマチに特異度の高い検査項目です。早期の関節リウマチに対しての感度も高いため、他の検査で関節リウマチと診断できない際にも有用です。
CRP
CRPは、炎症の強さを表す重要な検査項目です。関節リウマチの症状の度合いや活動状態を見ることもできます。
ただし、他の疾患でも上がることがあるため、CRPが高いからと言って関節リウマチだと思い込むのは危険です。同様の所見として、赤沈値が上昇することが挙げられますが、CRPの方が正確だと言われています。
血算
リウマチが悪化すると、貧血状態になることがあります。赤血球数や白血球数が減少します。また、リウマチは関節の炎症を引き起こしますので、場合によっては白血球やリンパ球が増加することもあります。総合的に診断することが必要です。
まとめ
以上のように、血液検査だけでは、なかなか関節リウマチだと判断することが難しいようです。もしも「関節リウマチかな?」と思ったら、膠原病内科などの専門医のいる病院を受診することを強くオススメします。