これを読んでいる皆さんは、人生で1度はインフルエンザに感染したことがあるかと思います。子供の頃は学級閉鎖で、棚からぼた餅だった人も、大人になったら、いざ休めず、毎年ワクチンを接種するなどして予防に努めているかもしれません。
よく、爆発的に大流行するというイメージをもたれるインフルエンザ。しかし、この特定の季節に流行するタイプのインフルエンザというのは、A型かB型であることが多いです。
じつはインフルエンザにはもう1種類、C型というのが存在していることをご存じでいたか。今回は、インフルエンザC型について、ほかのタイプの違いや、症状と治療法とともにみてきます。
インフルエンザC型とは
では聞きなれない、インフルエンザC型とはどのようなものなのでしょうか?A型・B型と異なる違いを以下に挙げてみます。
- 1歳~4歳までの子供に多く発症する
- 通年性
- 一度かかると抗体ができる
- ワクチンがない
みてきたように、幼少期にかかりやすいのがC型インフルエンザと言えます。これはC型のインフルエンザに一回かかると、抗体ができるため、大人は成長過程で一度はかかっていることが多く、あまりかかりにくいという理由があります。
さらに、A型やB型のインフルエンザの流行は、11月頃~5月頃ですが、C型は季節を問わず1年を通して感染する恐れがあります。
原因は?
では、インフルエンザC型に感染する原因は何なのでしょうか?A型がヒトから動物にも感染するのに対し、B型とC型はヒト同士の感染のみです。
主な感染経路は、ウイルスをもつ人のくしゃみや咳などをとおしてウイルスが体内に入り込み感染する「飛沫感染」です。
まだC型にかかったことのない乳幼児が、保育施設などにおいてウイルスをもらってきてしまうことがあり、また、集団感染にもつながりますので、十分に予防を行いましょう。
まだ衛生意識の低い幼少期のお子さんへ、外へ行ったら石鹸を使用してよく手を洗ってあげたり、殺菌成分の入ったうがい薬でうがいをさせてあげてください。
症状は?
インフルエンザC型に感染すると、A型やB型と同様に、発熱や咳、鼻水などの症状が見られます。
さきほど述べたように、一度かかるとC型に対する抗体ができるため、大人でもかかることはあるのですが、抗体による力で症状が軽く、風邪だと思っているうちに治っていることもあるのです。
しかし、未経験の乳幼児や成人では、高い熱が続くこともありますので、注意が必要です。熱は2日ほどで収まることが多いようです。
治療法は?
では、インフルエンザC型に感染したらどのような治療が行われるのでしょうか?
じつは、C型の難点とも言えるのが、予防ワクチンがないことです。A型やB型は流行予想にのっとり、毎年ワクチンが製造されますが、現状、C型にはワクチンがありません。
また、インフルエンザの検査キットもA型とB型の検査のみに対応しているため、C型かどうかの判断はつけずらいのです。
したがって、C型に感染し、発熱・咳・鼻水の症状が現れた際は、それぞれの症状を抑える薬を飲み、ウイルスの活動が治まってくるのを安静にして待ちましょう。
まとめ
これまで聞いたことがなかったかもしれないインフルエンザC型。とくに小さいお子さんがいる方は、どこでもらうかわかりませんので注意が必要です。
1度かかると抗体ができ、2度目以降は軽い症状になるものの、辛い思いや症状は避けられるならば避けたいものです。C型は年間を通して流行していますので、日ごろから手洗いとうがいをするよう見守ってあげてくださいね。