
冬の乾燥した季節になると、特に気になるのがお肌の乾燥。乾燥してカサカサお肌に、さらに湿疹ができてしまったり…。
しかし、なぜ皮膚が乾燥すると湿疹ができるのでしょう?今回は、皮膚が乾燥して湿疹が出てしまう原因と対処法をまとめます。
目次
原因
皮膚が乾燥している状態は、皮脂膜を作る皮脂の分泌量が少なくなって、角質細胞と角質細の間を満たす脂質などが減少することで、角質の水分含有量が減っています。
見た目にも皮膚表面がカサカサして白い粉がふいたようになります。このように乾燥して、角質層の潤いがなくなることで、皮膚のバリア機能が壊れます。
皮膚のバリア機能が壊れると、通常、弱酸性に保たれている肌がアルカリ性に傾き、細菌が繁殖しやすくなり、細菌感染のリスクが高くなります。
さらに、バリア機能が壊れると、通常は角質層から奥には入っていかない物質が角質層を通り抜けてしまうため、外部からの刺激に対して敏感になります。
髪の毛や衣類が触れる程度でもかゆみを感じたり、普段使っていて問題のない化粧品の成分でかゆみを感じたりします。
そのため、掻いてしまい、炎症を起こしたり、湿疹ができたりします。
対処法
皮膚を乾燥から守って、壊れてしまった皮膚のバリア機能を回復させることが必要です。
部屋の加湿をする
特に、暖房をつけていると、部屋の中はとても乾燥します。乾燥を防ぐため、加湿器や濡れタオルを干すなどして、室内の加湿をしましょう。
温度差に注意する
強い暖房や熱いお風呂やシャワーは、かゆみを増強するため避けましょう。お風呂は、ぬるいお湯で短めの入浴が良いでしょう。
入浴時、肌をゴシゴシ洗わない
入浴時、体を洗う際、強くこすって洗わないようにしましょう。皮膚表面に傷がつき、かゆみが増強します。
入浴後はすぐ保湿する
入浴後は、すぐに皮膚の乾燥が始まります。入浴後すぐに、ローションやクリームで保湿しましょう。
辛い物やアルコールは避ける
唐辛子の成分のカプサイシンやアルコールは血管を広げて、皮膚の温度が上がり、かゆみを増強するため避けましょう。
衣類や下着はソフトな素材のものを
肌に直接触れる衣類や下着は、肌触りのソフトな素材のものを着けるようにしましょう。サイズも、体を締め付けないサイズを選ぶようにしましょう。
ストレスや睡眠不足を避ける
ストレスや睡眠不足で体調が優れないと皮膚の回復にも悪影響となります。健康的な生活を心がけましょう。
保湿剤を使う
乾燥した皮膚の改善には、保湿剤を用いるのが良いでしょう。ヘパリン類似物質、ワセリン、グリセリン、尿素などが含まれた製品があります。
それぞれ、使用感が異なりますので、薬局で購入する際は、薬剤師と相談して、使用部位や症状に応じて選ぶと良いでしょう。
かゆみが強い、痛みがある、広範囲に湿疹ができているなどの場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。
まとめ
皮膚が乾燥してかゆみがあると、つい掻いてしまい、掻き壊してしまうこともしばしばあります。また、かゆみのせいで、睡眠不足、イライラしたりストレスがたまったりして、体調も崩してしまうこともあります。
皮膚の乾燥が見られたら、ひどくなる前に早めに対処し、痛みを感じたり、赤みがひどい場合は、皮膚科を受診しましょう。