
手湿疹には様々な種類がありますが、水疱ができるのは「異汗性湿疹 (汗疱)」と呼ばれるものです。では、手湿疹で水疱ができる原因と対処法には、どのようなものがあるのでしょうか? 詳しく見ていきたいと思います。
症状
主に手の平や指の先、足の裏などに小さな水ぶくれができ、その部分に強い痒みが生じます。小さな水ぶくれは、溶け合わさって大きな水疱になることもあります。
また、患部の痒みにより掻きむしり、水疱を潰すと、赤みを帯びた湿疹が発生したり、傷ができて重症化することがあります。
症状が類似していることから、異汗性湿疹と水虫を混同することもあります。また、水虫との合併症を引き起こすこともあるので、皮膚科でパッチテストを受けて、的確な診断を受けるようにしましょう。
また、異汗性湿疹は、汗が外に出ず皮膚内の酸性度が低くなり、炎症・湿疹を誘発している状態です。そのため、春夏に悪化し、秋になると快方へと向かう傾向があります。
原因
金属アレルギーや慢性の副鼻腔炎、扁桃炎による病巣感染や喫煙が原因となります。また、ストレスや自律神経失調症も血行不順を起すことも要因となります。
対処法
炎症自体を抑えられても、アレルギー反応などで次々に新たな異汗性湿疹を発症するため完全な治療法は分かっていません。
ただし、抑制させる方法としては、抗炎症作用のステロイド外用剤や尿素軟膏などの角質溶解剤、制汗作用のある20%塩化アルミニウム水などを使用することがあります。
痒みが強い場合には、抗アレルギー薬を使用したり、病巣感染の対応としては抗生剤投与・扁桃切除、歯科金属アレルギーの対応としては歯科金属の入れ替えなども行われます。
治療薬
異汗性湿疹をはじめとする手湿疹の症状では、以下のような治療薬が処方されます。
ステロイド・尿素配合保湿剤
ステロイドと尿素成分が含まれている保湿クリームです。ステロイドは症状が重い時にのみ使い、症状が軽減してきた時は、クリームによる保湿を行うことで症状を抑えることができます。
塩化アルミニウム溶液
制汗効果のある塩化アルミニウム溶液を使った密封治療法が、高確率で発汗量を抑えることに効果的であることがわかっています。ただし、こちらは全ての病院で行っているわけではありません。
まとめ
今回は、手湿疹で水疱ができる原因と対処法について解説してきました。原因と対処法を知った上で、手湿疹の症状を改善させてください。