鼻には呼吸をする他にもにおいや味を感じたり、吸い込んだ空気に含まれる異物を取り除き温度や湿度を調節して体に取り込むという重要な働きをしています。
その大切な鼻が慢性鼻炎などでつまってしまうと、口呼吸となって鼻本来の機能が損なわれてしまいます。
病院へ行くことが出来ないという理由で放置してしまわずに、とりあえずでも市販薬を使って治療することもひとつの手段です。今回は、慢性鼻炎のおすすめの市販薬を紹介していきたいと思います。
目次
鼻のしくみと慢性鼻炎
鼻腔は鼻中隔という骨や軟骨でできた壁で左右に分かれ、それぞれ横や上の壁から鼻甲介という突起が出ていて複雑な構造をしています。
鼻の孔の奥はこれらの構造物によって狭いすき間のようになっており、鼻から吸い込んだ空気はこのすき間を行き来しています。
鼻の中はすべて粘膜でおおわれているので、何らかの原因でこの粘膜が腫れたり厚くなったりすると慢性鼻炎となり、鼻づまりや鼻水などの症状が起こります。
慢性鼻炎の原因と症状
慢性鼻炎はウイルスや細菌感染などで急性鼻炎を繰り返したり、長引かせたりした場合に起こります。
花粉症などのアレルギー性鼻炎がきっかけで発症することもあります。その他にも市販の血管収縮薬の点鼻薬を使いすぎてしまい、慢性鼻炎になってしまう場合もあります。
慢性鼻炎の代表的な症状は「鼻づまり」です。鼻づまりが原因で口呼吸になり、口が乾いたりにおいや味がわかりにくい、咳や痰、鼻がのどにまわるなどの症状が現れます。
慢性鼻炎におすすめの市販薬一覧
ここでは、慢性鼻炎におすすめの市販薬を内服薬と外用薬に分けて紹介していきます。
内服薬
まずは、内服薬から見ていきましょう。
アレグラFX
久光製薬から販売されているアレグラFXは、フェキソフェナジン塩酸塩が有効成分として使われている鼻炎薬です。
フェキソフェナジン塩酸塩は、アレグラという名称でも知られており、第2世代の抗ヒスタミン薬で、宿命であった眠気を克服した薬となっています。
鼻炎薬の薬の中では最も副作用が低く安全性が高い薬です。日中でも服用できることから人気となっている鼻炎薬です。主に鼻水を止める効果が高く、即効性があり、持続時間も長い薬です。
フェキソフェナジン塩酸塩は、医師の処方箋が無ければ出すことができませんでしたが、2012年から市販薬への適用が認められた成分です。
その他のアレグラFXに関する情報はこちらの記事をご覧ください。
アネトンアルメディ鼻炎錠
武田薬品から販売されているアネトンアルメディ鼻炎錠も口コミ人気が高い薬の一つです。主な有効成分はプソイドエフェドリン塩酸塩で、2つの成分から作られているのが特徴の薬です。
一つは第2世代抗ヒスタミン薬で最も副作用が少ないアレグラ、もう一つは鼻づまりに高い効果があるα交感神経刺激薬であるプソイドエフェドリンです。
この両方が配合されているので、鼻水を止める効果、鼻づまり解消効果が高いものとなっています。
また、第1世代の抗ヒスタミン薬であるクロルフェニラミンマレイン塩酸塩も少々配合されているので、鼻水を止めるための効果は高くなっています。
その他のアネトンアルメディ鼻炎錠に関する情報はこちらの記事をご覧ください。
チクナイン
口呼吸を楽にしてちくのう症、慢性鼻炎を改善していく内服薬です。9種類の生薬で構成された辛夷清肺湯の働きで鼻の奥の炎症を鎮める効果があります。
その他のチクナインに関する情報はこちらの記事をご覧ください。
ベルエムピL
こちらは、葛根湯加川キュウ辛湯という漢方からできている市販薬です。また、その他のベルエムピL錠に関する情報はこちらの記事をご覧ください。
ストナリニZ
佐藤製薬から販売されているストナリニZは、口コミなどで非常に人気が高い鼻炎薬です。有効成分はセチリジン塩酸塩で、第2世代の抗ヒスタミン薬です。
セチリジンの特徴は、口のかわきや排尿障害といった副作用がほとんど見られないことです。
抗ヒスタミン薬の宿命として、どうしても強い眠気を誘うという特徴がありますが、セチリジンはその特徴は「やや」抑えられていると言われています。
しかし、「服用するときは必ず就寝前に」という注意書きがあるので、眠気が完全に抑えられるわけではないということを注意しておきましょう。
鼻水を止めるために効果的で、持続時間も非常に長くなっています。鼻づまりを解消するにもやや効果的と言われています。
その他のストナリニZに関する情報はこちらの記事をご覧ください。
パブロン鼻炎カプセルS
大正製薬から販売されているパブロン鼻炎カプセルSは、有効成分としてプソイドエフェドリン塩酸塩が配合されています。
副作用が最も少ない抗ヒスタミン薬のアレグラ、鼻づまり解消に効果的なプソイドエフェドリンが含まれた成分を使用している上に、マレイン酸カルビノキサミンという抗ヒスタミン薬も配合されています。
マレイン酸カルビノキサミンは、第2世代の抗ヒスタミン薬が出てくるまでは最も鼻水に効果があると言われていた抗ヒスタミン薬です。すぐにでも鼻水を止めたいという人にお勧めの鼻炎薬となっています。
また、パブロン鼻炎カプセルSについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
外用薬
続いて、外用薬について見ていきます。
ザジテンAL鼻炎スプレーα
3つの働き(抗アレルギー、抗ヒスタミン、抗炎症作用)を持つアレルギー専用点鼻薬です。
その他のザジテン点鼻スプレーに関する情報はこちらの記事をご覧ください。
ナザールAR
スイッチOTCのステロイドの点鼻薬です。つらい鼻の症状を緩和してくれます。
その他のナザールARに関する情報はこちらの記事をご覧ください。
注意点
慢性鼻炎の治療は、ステロイドの点鼻薬が良く効きます。一般的にステロイドというと副作用が心配という印象が強くありますが、ステロイドの点鼻薬については局所の効果は高いのですが、体内にほとんど吸収されることが無いので副作用が少ないとされています。
市販薬に多い血管収縮薬の点鼻薬は使いすぎや長期使用で返って慢性鼻炎を起こしてしまう場合があります。市販薬を選ぶときは注意が必要です。
最後に
今回は、慢性鼻炎におすすめの市販薬の情報をまとめてきました。慢性鼻炎の治療は、やはり耳鼻咽喉科で受けることが理想になります。市販薬を使っても治らなかったり、ひどくなるようなら早めに病院へ行きましょう。