脳梗塞は脳血管障害である脳卒中の1つです。脳の血管が細くなったり詰まったりすることにより発症します。脳の血管にこのような異常が起こると脳に酸素や栄養が送られなくなり、その部分の組織は障害をうけ死んでしまいます。
脳梗塞の治療は薬によるものが主となりますが、手術が行われる場合もあります。障害を受けた脳細胞を元に戻すことはできませんが、脳梗塞が更に悪化しないように予防するための手術と、脳梗塞そのものを予防する手術があります。
ここでは、これらの脳梗塞の手術について気になる点を調べてみましょう。
頸動脈内膜切除術の場合
脳梗塞の主な手術で代表的なものは「頸動脈内膜切除術」です。動脈硬化により、狭くなった血管を広くする事を目的とした手術で、血栓やアテロームを切除し、脳梗塞の再発予防になります。
手術は全身麻酔の元で行われますので、肺を始めとする呼吸器系に問題を抱えている人、全身麻酔が出来ない人にはリスクが高いため適応にならない場合があります。手術の所要時間はおおよそ2~3時間ほどです。
ステント留置術の場合
「ステント留置術」も多い手術でありステントと呼ばれる網目状の金属で出来た筒型の器具を足の付け根の動脈などからカテーテルを入れて血管が狭くなった部分に運び留置し、血液の流れを正常にする手術です。
局所麻酔で行えて、体に大きな傷をつけずに出来るので、手術時間も1時間ほどで身体への負担が少ない手術法と言えます。ただし、新しい手術法であることや、全ての頸動脈狭窄に対して行える手術ではないので、リスクについてしっかりと確認する事が必要です。
バイパス手術の場合
比較的太い血管で起きた脳梗塞に対しては「バイパス手術」が適応されます。これは詰まっている血管を迂回して新たなバイパス血管を作る手術であり、治療としては確実な方法となります。
バイパス手術は開頭手術となりますので、専門の脳外科医のいる設備の整った大病院でないと対応できません。また、バイパス手術が有効か、改善が見込めるかが個人差や状態の差が大きく、適応とならない場合もあります。バイパス手術の所要時間は5時間ほどです。
手術にかかる費用は?
脳梗塞と診断され、治療として手術が選択された場合、費用は薬物治療より高額となり、20~30万円程と言われています。脳の疾患の場合、一般的に薬や手術にかかる費用は高くなる傾向があります。医療費が高額になった場合は高額療養費の制度などを利用するようにすると良いでしょう。
まとめ
脳梗塞の治療は薬物治療になっても、手術になっても、その後のリハビリなどを考慮すると、入院や通院の期間が長くなり費用もそれだけ高くなります。
そのため健康保険の控除の制度を利用しても家計への負担は大きくなると考えた方がいいでしょう。いざという時のために医療保険に加入する事や、毎日の生活を見直して病気の予防についても対策をたてていくようにしましょう。