急に胸の痛みを感じたら、それは狭心症の発作なのかもしれません。家族や周りの人が、胸の痛みを訴えながら苦しんでいたら本当に慌ててしまいます。
狭心症の発作はどうして起こるのか、応急処置はどうしたら良いかなどを詳しくみていきたいと思います。
狭心症のしくみ
狭心症は心臓へ栄養補給するための冠動脈という血管が狭くなってしまうことで起こる病気です。多くの場合、冠動脈の動脈硬化によって生じた冠動脈の狭窄が、血液の流れを遮ることが原因となります。
狭心症の発作は一過性なもので、心臓の酸素需要量が減ってくると5-10分で症状は治まってきますが、狭くなった血管は簡単にはもとに戻らないので治療が必要になります。
発作が起きた時の症状
狭心症の発作の典型的な症状は、
- 胸の痛み
- 胸の圧迫
- 胸が締め付けられる感じ
になります。
しかし、胸の症状だけでなく、
- 胃の痛み
- 吐き気
- 顔面蒼白
- 左肩の痛み
- 背部左腕に放散する痛み
- のどの圧迫感
- 歯の痛み
といった症状が見られることもあります。
発作が起きた時の対応方法
投薬で発作を抑える
狭心症の発作の多くは、ニトロなどの血管拡張作用がある薬で抑えることがほとんどです。狭心症の発作は、血管が狭くなり、心筋の酸素が不足することで発生するためです。
ニトロなどの血管拡張作用がある薬には、同時に血圧を下げる効果があるものも多いため、倒れそうになっても対応できるように、座ってから服用することが必要です。
軽い症状だけなら安静にする
狭心症でも労作性狭心症である場合は、比較的軽い部類になるため、薬の服用は必要ないことが多いです。
しかし、胸が痛むなどの発作が起きた場合には、座って呼吸が楽にできるように、シャツのボタンなどを緩めておきましょう。
気を落ち着けて、呼吸を行っていけば、10分以内に治まります。ニトロなどが処方されている場合も、倒れても差し支えないように座ってから服用するようにしましょう。薬で発作を抑える場合は、数秒で改善されていきます。
朝に痛みで起きてしまう場合は
朝など胸の痛みなどの狭心症の発作で起きてしまう場合もあるでしょう。
このような症状の狭心症の場合、薬が処方されていることが多いので、眠る前などには枕元などに準備しておき、発作に備えて眠るようにすると良いでしょう。
発作によって目が覚めても、すぐに薬を服用することで、発作を抑えることができます。
発作の予防方法
狭心症の発作には起きやすい時間や季節があります。その他にも暖かい場所から急に寒いところへ行くと起きる可能性が高くなります。発作を起こりやすい原因をあげてみます。
- 冬の寒い日
- 午前中
- 坂道や階段を上り下りしているとき
- 早歩きをしているとき
- 運動中
- 重い荷物を持って歩いているとき
- 興奮したとき
- 風呂に入っているとき
これらの原因をなるべく避けることで、発作を予防することができますが、冬の寒い日などどうしても避けられない場合は、暖かく過ごせるように工夫するなどしてみるのも予防になります。
午前中は身体を活発に動かそうと血圧が高くなるため、心臓への負担がかかりやすくなります。朝早くの運動をやめるなどして予防してください。
最後に
急に発作を感じたときはとにかく安静にするのが第一ですが、治まってもその後は必ず病院へ行って診てもらいましょう。
安静にしていても発作が治まらない場合は心筋梗塞の疑いがあります。急いで救急に行ってください。
狭心症も進行すると時間や季節、運動などに関係なく発作が起こるようになります。狭心症の疑いがあるようなら早めに受診してください。