
溶連菌感染症は、溶血性レンサ球菌に感染することにより起こる感染症です。もしも、妊婦が溶連菌感染症になったら、胎児への影響はあるのでしょうか? 今回は、妊婦が溶連菌に感染した時に気をつけることをまとめてみました。
溶連菌感染症とは
溶連菌感染症とは、溶連菌に感染することにより引き起こされる感染症です。溶連菌は、正式には、溶血性レンサ球菌といわれ、抗原性の違いからA群~V群(L、J は除かれます)に分類されます。
妊婦も感染するのか?
結論から言いますと、溶連菌感染症は妊婦も感染する可能性があります。
冬によく流行し、学童期の子供に多く発症する、のどの痛み、38~39℃の発熱、発疹、イチゴ舌(舌がイチゴのようにぶつぶつになる)を主症状とする溶連菌感染症は、A群溶血性レンサ球菌による感染症です。
もし、妊婦が感染しても、すみやかに病院を受診して、妊娠中に飲んでも大丈夫な抗生物質を医師の指示通り飲みきることで治療します。
A群溶連菌感染症は、抗生物質を飲んで溶連菌を完全にやっつけないと、リウマチ熱や急性腎炎などの合併症を引き起こすことがあるため、しっかり治すことが大事です。
妊婦の溶連菌感染症で、より注意しなければいけないのは、B群溶血性レンサ球菌による感染です。B群溶血性レンサ球菌は、女性ですと膣や肛門周囲に常在する常在菌で、通常は特に悪さをしません。
しかし、出産時にお母さんがB群溶血性レンサ球菌に感染していると、赤ちゃんが産道を通るときに感染する可能性があり、感染した赤ちゃんに肺炎、髄膜炎、敗血症などの「新生児GBS感染症」を起こす恐れがあります。
胎児への影響
妊婦がB群溶血性レンサ球菌に感染していても、胎児は羊水に守られていますので、通常なら影響は受けません。
しかし、妊婦の免疫力が低下するなどで膣炎を発症すると、胎児を包む羊膜が炎症を起こし、早産や前期破水の原因となりますので、バランスのよい食事をとる、睡眠をしっかりとる、ストレスをためないなどを心がけましょう。
妊婦が気をつけるポイント
出産間近に感染し、知らずに出産すると赤ちゃんが産道で感染してしまい、肺炎・髄膜炎・敗血症などの新生児GBS感染症という重大な症状を引き起こすことがあります。
そのため、妊娠36週前後に行われる、「B群溶血性レンサ球菌検査 (GBS検査)」をしっかり受けましょう。
GBS検査は、おりものを採取して検査します。GBS検査で陽性となっても、特に珍しいことではなく、出産時の感染予防の準備と考えましょう。
GBS検査が陽性の場合は、出産の際、陣痛が始まったら、抗生物質(ペニシリンなど)の点滴を始めて、赤ちゃんが産まれるまで点滴を続け、赤ちゃんへの感染を予防します。出産時に感染予防ができれば、産まれてきた赤ちゃんには何も問題なしです。
もしも、赤ちゃんがB群溶血性レンサ球菌に感染してしまったら、B群溶血性レンサ球菌感染症には、早発型と遅発型があります。
早発型
生後7日以内に発症。生後24時間以内の発症がもっとも危険。
遅発型
生後7日以降に発症。早発型より危険率は高くないが、病院を退院してからの発症となるため、十分注意して様子を見ていく必要があります。
「元気がない」、「ミルクを飲まない、あるいは飲みが悪い」、「呼吸が不安定」などちょっと違うなと感じたら、赤ちゃんは、容体が急激に悪化する場合が多いため、直ちに病院を受診しましょう。重症化した場合、命の危険があります。
まとめ
溶連菌感染症で妊婦が特に注意したいのは、B群溶血性レンサ球菌による感染症です。検査で陽性となっても、赤ちゃんへの感染予防方法はあるため、必要以上に心配はいりません。
過度の心配は、ストレスとなって体調によくありません。毎日を健やかに過ごすことが胎児にもよい環境となります。