
風疹や麻疹は、子どもがかかることが多い感染症として知られます。しかし近年、風疹にかかる大人が増えています。子どもの場合には比較的軽い症状で済むことも多い風疹ですが、大人では重症化することが多いようです。
また、妊娠中に風疹かかると、生まれた子供に先天性風疹症候群が起きる可能性がありますので、特に気をつける必要があります。
妊娠中に風疹にかかると危険?
飛沫で感染する風疹は、感染力が強く、冬にも患者が出ますが、4~6月に流行することが多い感染症です。
最近は、20~40代の男性に発症するケースが数多く報告されるようになりました。実際、2013年には風疹罹患者の7割が20歳以上の大人でした。
2014年の国の調査で、20~40代の男性の13.7%が、風疹の抗体を持っていないことが明らかにされました。20~40代の女性でも、3.8%に風疹の抗体がなく、14.2%は抗体があっても予防には不十分な抗体価でした。
この世代には、自然に風疹にかかる機会が減ったにもかかわらず、風疹予防のためのワクチンを接種していない人が多いのです。
問題は、妊娠適齢期にある20~40代の女性の18%に、風疹にかかる可能性があるということです。
妊娠中に風疹にかかると、子供が難聴や心疾患、白内障や緑内障などの傷害を持って生まれてくる確率が高くなります。
風疹が流行した時期をふくむ2012~14年の2年間に、この先天性風疹症候群は45例報告されています。
こうした傷害が起きる確率は、妊娠初期がきわめて高く(4週で50%、5~8週で35%、9~12週で15%、13~16週で8%)、後期ではほぼ起きないとされています。
抗体の有無を確認しておきましょう
風疹は、感染しても発症しない人が二人に一人はいるとされる感染症ですので、妊娠中に感染しても気付かない可能性もあります。同居の家族が、それとは気付かずに感染源になってしまうこともあり得ます。
また、過去に風疹にかかった人は十分な抗体を持っていますが、予防接種で抗体を獲得した人の場合には、抗体価が低くなっていることもあり得ます。
ですから、妊娠を希望する夫婦や同居の家族は、風疹の抗体の有無を調べて、妊娠が始まるより遅くとも2ヶ月前までに予防接種を済ませておく必要があります。
風疹の抗体価検査を無料で受けることができる自治体も増えています。麻疹も、妊娠中にかかれば流産することがあります。
また、風疹と同じように、大人がかかれば重症化することも少なくありません。麻疹の抗体価検査は自費ですが、気になる方は検査を受けてみてください。
まとめ
妊娠中は、嬉しいことも多いですが、心配事もつきないものです。しかし、風疹や麻疹は、妊娠前に対策を講じることができるのですから、心配の種を減らしておくという意味でも、抗体価検査を受け、ワクチンを接種しておくのが良いでしょう。