急性出血性結膜炎は、はやり目の一部で、人から人へと感染する結膜炎の一種です。急性、とつくように突然痛みや異物感(まつげが目に入ったような感覚)くるのが特徴です。
また、別名「アポロ病」と言われることもあります。ちなみにアポロ病の由来は、1969年のアポロ11号が月に着陸した年にこの病気が大流行したことにあります。
ここでは、急性出血性結膜炎の原因や症状、治療法(薬)についてまとめています。
原因
エンテロウイルスとコクサッキーウイルスというエンテロウイルス属によるウイルス感染が原因です。
このウイルスは珍しく結膜に感染し、結膜の出血を引き起こすという独特な特徴がありますが、その理由はいまだに解明されていません。(本来のエンテロウイルスは消化器官で感染します)
ちなみにエンテロウイルス属のウイルスには、手足口病やヘルバンギーナの原因になるものも存在します。
感染は、患者からの目やにや涙などが感染源となっている場合がほとんどです。感染経路としては、階段の手すりや電車のつり革のように公共のものを経由して感染します。
症状
名前の通り、激しい結膜下部の出血が特徴です。分かりやすく話すと、充血のことなのですが、急性出血性結膜炎の場合は、真っ赤に近い色に充血した状態になります。
また、目やにが水っぽくうすく血が混じる、涙が止まらなくなる、まぶしさを普段より強く感じてしまうなどの症状がでてきます。他に事前症状が多く、突然目が痒くなったり違和感があるなどといった事があります。
目でわかる病気のため感染すると動揺してしまう人も多いかと思います。しかし潜伏期間は1日と短く、治療期間は1週間ほどとあまり長期化しない病気です。出血に関しましても自然に吸収され、充血はなくなります。
しかし気をつけたいのが、感染系の目の疾患(ものもらい、結膜炎)すべてに言えますが、反対の目に感染してしまうことが多いので、感染を防ぐ努力が必要になってきます。
治療法(薬)
エンテロウイルスやアデノウイルスなど結膜炎に関係のあるウイルスに効く抗生物質などはまだ開発されておらず、対処できる薬はありません。
しかし菌の潜伏期間が長くないことから、炎症をおさえる、悪化しないようにする、衛生面に気をつけるといった対症療法で治療することが可能です。
そのため基本は抗生剤の点眼薬を使用します。また結膜への炎症にはステロイド薬を点眼します。おそらくステロイドの点眼薬は市販されていないため、診断から薬を処方してもらうことを薦めます。
まとめ
急性出血性結膜炎は長くとも1週間程度で治療可能な病気ですので、発症しても慌てずに眼科に行き治療を受けるようにしましょう。また、感染していない目の方にもうつってしまわないように注意してください。