急性の膀胱炎は、大腸菌などの雑菌が膀胱内に入り込み、そこで炎症が起こることによって生じる病気です。男性に比べて、女性の尿道は短く、肛門や膣とも近い位置にあるため、女性の方が膀胱炎を発症しやすいといわれています。
一般的な膀胱炎の症状は、排尿時の痛み・頻尿・下腹部痛、血尿などです。軽症であれば自然に治ることもありますが、痛みがひどい場合や発熱、出血がある場合には早期に病院を受診されてください。
一方で症状が軽く、仕事が忙しくて病院に行く時間が取れない方は、「腎仙散(じんせんさん)」などの薬局で買うことができる市販漢方薬を試してみるのもよいでしょう。ここでは、そんな腎仙散の効果や副作用について見ていきます。
効果
腎仙散は15種類の生薬エキスが含まれる漢方薬(第2類医薬品)で、利尿作用を持つ「五苓散(ごれいさん)」などを配合しています。
排尿を促して、膀胱中の雑菌を尿で流しだすことにより、膀胱炎の症状改善を期待することができます。腎仙散は服用しやすい散剤で、携帯にも便利なアルミ分包包装になっています。
12包入り(4日分)、18包入り(5日分)、93包入り(31日分)の包装タイプで売られていますが、初めてお使いになられる方は、12包入り(4日分)がよいかと思われます。お値段も1500円程度です。
効能には、膀胱炎・ムクミ・腎炎・腎盂炎・ネフローゼ・尿利減少があげられています。食前または食間(食後2〜3時間後の空腹時)に服用します。
副作用
腎仙散の利尿作用により、のどの渇きが見られると思います。副作用としては、皮膚に発疹・発赤・かゆみが見られたり、食欲不振、胃部不快感・吐き気・嘔吐などがあげられます。
もともと胃腸の弱い方やすでに症状(頻尿・排尿時の痛み)が重い場合、血尿や陰部の痛み、腹痛、発熱、腰痛などがある場合はやはり、服用前に病院での検査や治療が必要です。泌尿器科等での受診をおすすめします。
また、授乳期の方は、普段の家事に併せて、寝かしつけ、授乳のため、トイレに行けなかったり、疲労がたまったりして、膀胱炎になりやすい、と聞きます。
ネットによると、授乳期の服用は問題ないとのことです。土日で病院に行けない場合、この市販漢方薬に頼ることも可能でしょう。ただし、妊婦または、妊娠している方は、自分で判断せず、病院での検査や治療が大切です。
まとめ
膀胱炎の発症や悪化には、生活習慣が関係しているといわれています。お薬にたよるだけでなく、生活習慣の改善が重要です。トイレはできるだけ我慢しないようにしましょう。おしっこをすることで、膀胱にいる雑菌を押し流せるからです。
そして、体を冷やさず、多くの温かい白湯を摂取しましょう。また、疲れがたまっていなければ、スポーツをしたり、仕事も制限はありませんが、充分の睡眠とバランスのとれた食事に心掛けることが、予防や改善につながるといえるでしょう。
それでもかかってしまった場合や治らない場合には何か別の病気が潜んでいる可能性もあります。膀胱がんや尿路結石、糖尿病など、体の内部からの原因で起きている膀胱炎については、まずその原因を解消することです。
また、性感染症から膀胱炎を発症してしまうこともあります。そのためにも病院での検査を一度受ける必要があるでしょう。
