風邪の諸症状として多いのは発熱や喉の痛み、咳や頭痛などではないでしょうか?このような症状には薬剤を中心とした薬や体に優しく働きかける漢方処方の薬があります。
「銀翹解毒散(ぎんぎょうげどくさん)」は、生薬を中心とした漢方処方で風邪症状に穏やかに働きかけ改善する作用があります。今回は、この銀翹解毒散の効果や副作用について解説します。
効果
銀翹解毒散は、10種類の生薬を配合した銀翹散に基づき処方された漢方薬で、主な効能には、風邪による喉の痛みや口や喉の渇き、咳や頭痛などの症状に効果があります。
5歳以上から内服可能で、年齢に合わせた用量を1日3回食間(食後2時間〜3時間後)に内服することで効果が得られます。また、成分は以下のような生薬が含まれています。
- 連翹(レンギョウ)は解熱・消炎・鎮痛作用があり、熱を下げて喉の痛みを取り除いてくれる作用があります。
- 金銀花(キンギンカ)は抗菌作用や消炎作用があり、喉の痛みや頭痛など症状を和らげてくれます。
- 甘草(カンゾウ)は体の緊張を和らげる作用があります。
- 桔梗(キキョウ)は抗炎症・抗鎮痛効果が期待でき喉の痛みに効果的です。
- 薄荷(ハッカ)は清涼感のある成分が喉の痛みや頭痛などの症状を和らげてくれます。
- 荊芥(ケイガイ)は解熱・抗菌作用で熱を鎮めて痛みを取り除いてくれます。
- 淡竹葉(タンチクヨウ)は体の熱を取り除く作用があり、頭痛や喉の痛みなどの症状を緩してくれるでしょう。
- 牛蒡子(コウボウシ)は炎症や痛みを取り除く作用で喉の痛みなどに作用します。
- 淡豆豉(タンヨウシ)は鎮痛・発汗作用があり、発熱や咳などの症状に効果があります。
- 羚羊角(レイヨウカク)は鎮痛・解熱作用で喉の痛みを和らげてくれます。
副作用
主な副作用としては、皮膚の発赤や発疹、痒みや吐き気、食欲不振、胃部不快感などが見られることがあります。虚弱体質や胃腸虚弱の方は医師や薬剤師に相談してから内服して下さい。高血圧、心臓病、腎臓病と診断された方は医師の指示に従い内服します。
自己判断で内服すると併用薬の相互作用で副作用が起きたり、症状が悪化する恐れがあります。また、生薬に含まれる甘草を大量に摂取すると偽アルドステロン症を引き起こす原因になります。
手足のだるさやしびれ感、つっぱり感やこわばり、脱力感、筋肉痛など見られたら内服を中止して早めに医師の診察を受けるようにして下さい。5日〜6日間内服しても症状が得られない時は医師や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
銀翹解毒散は風邪症状のなかでも喉の痛みや頭痛などの症状に効果があります。風邪薬には多くの種類がありますが、漢方処方なら副作用も少なく小さなお子様にも安心して内服させることができます。風邪の症状が改善しないときは無理せず医師に診てもらうようにしましょう。