様々な病気に処方されることのあるゲンタシン軟膏ですが、ヘルペスには効果があるのでしょうか?今回は、このゲンタシン軟膏のヘルペスへの効果と注意点について解説していきたいと思います。
ヘルペスとは
ヘルペスはウイルス性の感染症で、いくつか種類があります。口唇ヘルペスや性器ヘルペス、水疱瘡などもヘルペスの一種です。
口唇ヘルペスはストレスなどで体の抵抗力が弱っている時に、唇の周りに痛みや痒みを伴って発症します。また、性器ヘルペスは性器の周りに赤いぽつぽつしたものや水ぶくれが発症します。
痒みや痛みと言った症状は、口唇ヘルペスと同様ですが、中には発熱を伴う場合があります。人によっては感染していてもまったく症状が出ない場合もあります。
水疱瘡には、多くの方が子供の頃にかかったことがあるのではないでしょうか。赤いポツポツとした発疹が全身に出て、熱を伴います。
通常子供が感染するものですが、まれに大人でも感染することがあり、その場合は重症化する恐れがありますので注意が必要です。
ゲンタシンは効くの?
さて、こういったヘルペスに対してゲンタシンがどういった効果を示すのかということですが、ゲンタシン軟膏にヘルペスウイルスを死滅させる効果はありません。
ゲンタシン軟膏にはゲンタマイシン塩酸塩というアミノグリコシド系の抗生物質が主成分として含まれており、このアミノグリコシド系抗生物質は細菌のタンパク質の合成を阻害することで殺菌的な効果を発揮します。
ですので、ヘルペスはウイルスのためゲンタシン軟膏では効果がないのです。では、なぜヘルペスにゲンタシン軟膏を使用するのか。それはヘルペスによる二次感染を予防するためです。
ヘルペスでは水ぶくれができることがありますが、その水ぶくれが潰れて傷口から細菌が入り、二次感染を起こしてしまう可能性があります。
それを防ぐためにゲンタシン軟膏を使用します。ですので、ヘルペスウイルスを死滅させるためにはゲンタシン軟膏とは別にバルトレックスなどの抗ヘルペスウイルス薬を併用する必要があります。
ゲンタシン軟膏は外用薬ということで内服薬に比べて安全性が高い薬剤です。成分にステロイドは含まれておりませんので、副作用もほとんどありません。
しかし、皮膚に直接塗りますので発疹やかゆみなどの皮膚症状が発言する可能性がありますのでご注意ください。
また、塗るとべたべたする外用剤ですので、特に性器ヘルペスなどに対してデリケートな部分に塗る場合は不快に感じる場合がありますので、薄く塗るなどの対策が必要です。
それと過去にゲンタシンで発疹などの副作用が出た人の場合は再び同じ副作用が出る可能性もありますので、事前に意思にご相談ください。
最後に
今回は、ゲンタシン軟膏のヘルペスへの効果と注意点について解説してきました。結論としては、「ゲンタシン軟膏は、ヘルペスに直接効果はないが、二次感染を予防してくれる」といったところでしょうか?ぜひ、このことを知った上で、ゲンタシンをヘルペスに使用していただければと思います。