口の中のつらい痛みと言えば、虫歯、口内炎、口唇ヘルペスでしょう。中でも口内炎は、成人の約50%の人が1年間に1回以上おこしています。口内炎で一番困るのは、強い痛みです。
食事をしてもしみて痛むので、食事もままなりません。食欲がなくなり十分な栄養がとれなくなると、ますます口内炎が治りにくくなります。
そこで、今回は、口の中の痛みに効くお薬・デンタルクリームの効果や副作用について説明します。
効果
デンタルクリームには、2種類の痛みに効く成分と炎症をおさえる成分、さらに殺菌効果のある成分が配合されている患部に直接塗ることができる軟膏タイプのお薬です。
口内炎や口角炎だけでなく、虫歯や歯根炎、歯肉炎、歯槽膿漏の痛みの緩和にも有効です。局所麻酔成分のジブカイン塩酸塩とアミノ安息香酸エチルは、痛みに直接働きかけて口内炎などの痛みをしずめます。
塩化セチルピリジニウムには殺菌作用がります。歯槽膿漏や歯肉炎などの原因菌を殺菌し、口腔粘膜の化膿を防ぎます。l-メントールには消炎作用がるので、患部の炎症をやわらげます。また、塗布したときにスーッとした清涼感があります。
使用方法は、1日に数回・適量を患部にうすくのばすように塗布してください。虫歯には、歯のくぼみと歯肉に塗布してください。塗布する前には、患部の唾液をふき取りましょう。
副作用
デンタルクリームは内服薬と違って局所的に使用するお薬なので、副作用がおこることはほとんどありません。
副作用ではありませんが、局所麻酔成分が入っているため、軟膏が付着した部分にしびれを感じることがあるかもしれません。
また、皮膚に発疹・発赤やかゆみといった症状があらわれた場合は、副作用の可能性があると添付文書に記載されています。
もしもそのような症状があらわれたら、使用を中止して、医師または歯科医師、薬剤師、登録販売者に相談するようにしましょう。
まとめ
口内炎や口角炎は、特に治療をしなくても1~2週間もすれば治ることがほとんどです。しかし、痛みが強い場合には日常生活に支障がでます。そんな時にはデンタルクリームなどの薬を上手に使いましょう。
デンタルクリームは、虫歯や歯槽膿漏などによる痛みをやわらげるのにも効果がありますが、病気そのものを治しているわけではありません。やはり虫歯や歯槽膿漏は治療が必要です。早めに歯科を受診して、ちゃんと治療をしましょう。
虫歯や歯槽膿漏で歯を失うと、認知症のリスクが高まるという研究もあります。全身の健康状態にも関係します。健康のためには、口腔ケアはとても重要です。