不規則な生活や睡眠不足、疲労などは精神的な病にかかる大きな要因となります。仕事や日常生活のストレスは溜めこまないことが大切ですが、上手にストレス解消ができず、ストレスが蓄積されると病気になってしまいます。
精神的な病気にかかると日常生活や仕事などにも支障をきたしてしまい、自力で改善するのが困難になります。このような精神的な症状には薬の力を借りながら改善していくのが有効です。
今回は、そんな症状に効くクロルプロマジンの効果や副作用について解説します。
効果
クロルプロマジンはクロルプロマジン塩酸塩を有効成分とした精神安定剤の薬剤です。
主に総合失調症、躁病、神経症などの不安や緊張、抑うつ、悪心・嘔吐、吃逆(しゃっくり)、破傷風による痙攣等に効果があるほか、麻酔前の前投与や人工冬眠、催眠鎮静鎮痛剤などに用いられます。
総合失調症など脳の情報伝達系に問題が生じると感情や思考のコントロールが難しくなりますが、有効成分が情報伝達系に働きかけることにより、症状を緩和してくれます。
神経の高ぶりや緊張を鎮めて気分を穏やかにし、精神的な不調を調節してくれます。またクロルプロマジンは脳のドーパミン受容体を阻害するため吐き気や嘔吐などの症状を緩和するにも役立ちます。
精神科領域に用いる場合には、年齢や症状により異なりますが、1日50~450mgを分割して経口投与します。クロルプロマジンを内服することで症状が徐々に改善されるでしょう。
副作用
クロルプロマジンなど精神安定剤は注意を守らないと副作用に繋がることがあります。主な副作用には、手の振るえや体のこわばり、つっぱり感、口の渇き、排尿困難、便秘、立ちくらみなどががあります。
重大な副作用が起こることは稀ですが、悪性症候群や心臓停止につながるような重大な不整脈、再生不良性貧血、麻痺性イレウス、遅発性ジスキネジアや遅発性ジストニア、肝障害や横紋筋融解などに注意しましょう。
体の硬直や嚥下困難、頻脈、血圧の変動、血圧低下や不整脈、著しい便秘や腹部膨満感、発熱、全身倦怠感、黄疸など見られたら内服を中止して医師の診察を受けるようにして下さい。
また、脳炎や脳腫瘍、頭部外傷後の後遺症の方は内服中止となっているので注意しましょう。中枢神経抑制剤や降圧剤など持病があり他に内服薬を併用している場合は薬の相互作用により副作用が起きやすくなりますので医師の指示に従って内服して下さい。
アドレナリンを内服中の方は血圧が低下するなど副作用に繋がりますのでクロルプロマジンとの内服は禁止になっています。
クロルプロマジンなどの精神安定剤は症状が改善されても独自の判断で止めてしまわず必ず医師の指示に従って内服するようにして下さい。
まとめ
クロルプロマジンは精神安定剤の薬で心を穏やかに保ってくれます。ストレスや疲労などで精神的に弱った時は薬で回復することも選択肢に入れるようにしましょう。焦って早く治そうとすると逆にストレスになることがあるのでゆっく治療するようにします。