漢方は中国で生まれ、日本に伝わった体系医学です。漢方では、体全体の調子を整え、病気を治していくのが特徴です。
そのため、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質を診断することも重要とされています。今回は、「桂枝加竜骨牡蠣湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)」の効果や副作用について解説します。
目次
効果
桂枝加竜骨牡蠣湯は、漢方の原典「金匱要略」に記載されている漢方薬です。神経の高ぶりをしずめ、気力をつけることで、心と体の状態を穏やかにします。
体力が中程度以下の人で、疲れやすく神経過敏で興奮しやすいといった症状のある人に適したお薬です。具体的には、神経質、不眠症、小児の夜泣き、夜尿症、眼精疲労、神経症などの諸症状の緩和に効果があります。
本来は、生薬を煎じたものを服用しますが、便利なエキス剤が複数の製薬会社から販売されています。年齢や症状によっても服用量が異なるので、添付文書を元に用法・用量をしっかりと確認するようにしましょう。
また、一般的には1日2回・食前または食間に水または白湯で服用します。顆粒状なので、白湯に溶かしてゆったりとした気持ちで飲むといいでしょう。
基本処方の桂枝湯に、鎮静作用がある生薬を配合しています。配合されている生薬は以下の7種類です。
桂皮(ケイヒ)
ニッケイの枝です。穏やかな発汗・発散作用と健胃、解熱、鎮痛作用があります。
竜骨(リュウコツ)
哺乳類の骨の化石です。気持ちを落ち着かせる作用があります。
牡蛎(ボレイ)
カキの貝殻です。気持ちを落ち着かせ、胃痛や動悸をおさえます。
芍薬(シャクヤク)
シャクヤクの根です。筋肉の緊張をゆるめて、血行を良くし、痛みをやわらげます。
生姜(ショウキョウ)
ショウガの根です。体をあたため、食欲不振や胃のむかつきや嘔吐をおさえます。
大棗(タイソウ)
ナツメの果実です。鎮痛、強壮、利尿などの作用があります。
甘草(カンゾウ)
カンゾウの根です。動悸をおさえる作用があります。また、肝機能を強化します。
副作用

他の多くの漢方薬がそうであるように桂枝加竜骨牡蠣湯を服用して、副作用が出る心配はほとんどありません。
ただし、人によっては、飲み始めに食欲がなくなったり、ムカついたりすることがありますが、しばらくすると慣れてきます。まれに、皮膚に発疹や発赤、かゆみが出ることがあります。
ほとんど心配はありませんが、甘草が配合されているため偽アルドステロン症(血圧上昇、むくみ、筋肉のふるえなど)という重篤な副作用が起こる可能性があります。
甘草を含む他の漢方薬やグリチルリチンが配合されているお薬と一緒に飲むときには注意が必要です。
まとめ
漢方薬は西洋医薬と違って、飲めばすぐに効果がでるというものではありません。1か月くらいは服用を続けて、症状の変化をみてください。
神経過敏の状態は、心身ともに疲れます。漢方薬の服用とあわせて、ストレス解消やリラックスするように心がけましょう。