
切り傷やすり傷などの傷口に細菌が感染すると、患部が化膿して治りが悪くなります。今の日本では、栄養状態もいいですし、必要な医療を受けることができるので、傷口から細菌が感染しても命にかかわるような状態になることはほぼありません。
しかし、昔は傷口から感染した細菌が血液中に入って全身にまわってしまい、敗血症を起こして死亡することもありました。今では考えられませんが、小さな傷がきっかけで、命を落としてしまうことが日常だったのです。
今回は、化膿を予防するドルマイシン軟膏の効果や副作用について解説していきます。
効果
ドルマイシン軟膏には、コリスチン硫酸塩とバシトラシンの2種類の抗生物質が配合されています。どちらも細菌の細胞膜を破壊して細菌を殺します。
細菌はグラム染色という方法で染色すると、その細胞壁の構造や組成の違いからグラム陽性とグラム陰性に染め分けられます。染色性の違いによっておおまかに細菌を分類しています。
コリスチン硫酸塩はグラム陰性菌に有効です。やけどをした部位に感染をおこしやすい緑膿菌にも効果があります。
バシトラシンはペニシリンに似た抗菌スペクトル(薬剤が有効な細菌の種類)を示し、大部分のグラム陽性菌(ブドウ球菌やレンサ球菌など)と一部のグラム陰性菌に有効です。
外傷ややけどの化膿予防、とびひ、せつ、よう、毛嚢炎などの化膿性疾患の治療に有効です。使用方法は1日に1~3回・適量を直接患部に塗布するか軟膏を塗布したガーゼを患部に貼付してください。
5~6日使用しても症状が改善しない場合は、使用を中止して医師や薬剤師に相談するようにしてください。ドルマイシン軟膏に配合されている抗生物質が効かない細菌やウイルスが原因でおこっている化膿症の可能性があります。
副作用
ドルマイシン軟膏は、使用方法を守って使用すれば、副作用がおこる心配はほぼありません。ただし、皮膚の発疹・発赤・かゆみ・かぶれは、副作用の可能性があると添付文書に記載があります。副作用が出たら、使用を中止して医師または薬剤師、登録販売者に相談するようにしましょう。
また、まずおこることはないでしょうが、アナフィラキシーショック(使用後すぐに皮膚のかゆみやのどのかゆみ、息苦しさ、動悸などの症状がおこる)という重い副作用がおこる可能性があるとも添付文書には書かれています。
もしこのような症状がでたら、直ぐに病院を受診し医師の診察を受けてください。
まとめ
皮膚の化膿性疾患はこじらせると大変です。化膿や炎症がひどいと治ってからも、しばらく跡が残ることがあります。皮膚の化膿症は細菌感染によるものがほとんどなので、抗生物質の入った軟膏はとても効果があります。
抗生物質を使用するときには、完全に治るまで使用することが大切です。中途半端に治療をやめてしまうと、抗生物質に抵抗性をもった耐性菌を作ることになるかれらです。