
膀胱炎では、発熱する場合と発熱しない場合があります。(基本的には発熱は見られません。) 発熱しない場合は自覚症状もなく、悪化の手前ではじめておかしいと気付かれることがあります。膀胱炎で発熱が見られるのは、膀胱炎がこじれている状態を指します。
膀胱炎そのものは治療も抗生物質で比較的短期間で治りますが、膀胱炎がこじれた場合は命にも関わる腎盂腎炎や敗血症と言う大変危険な病気へと進んでいきます。では、熱が出るのはどんな症状の場合か、具体的な例を挙げながら、対処法をご説明しましょう。
発熱はキケンを示すサイン!
膀胱炎(急性膀胱炎)で通常発熱があるのは珍しいです。初期の症状で発熱が見られるのはごく一部ですから、発熱を基にして判断するのは正しくないと思います。
殆どの場合、頻繁にトイレへ通い、おかしいな…と感じながらも熱がないため、ウッカリと見過ごしてしまう場合が多いのです。
患部がヒリヒリ痛み、40度くらいの発熱が突然あって、アレ!?と思った時は、既に膀胱炎から腎盂腎炎へ移行しているか、または、その可能性大の場合ですから、注意が必要です。
症状としては…
発熱を感じてから、アッという間に40度の高熱に達します。または、微熱だが、身体中が非常にだるく感じられます。もしくは、ゆっくりと40度近い熱を出すこともあり、発熱としては決まったパターンはないようです。
発熱時の特徴としては、夕方から夜間にかけて、高熱がでて、朝方は一旦下がり、また夕方から上がりはじめる熱型です。
他にも以下のような症状が現れます。
- 寒気、体の震えが見られます。
- 時には、吐き気や嘔吐があります。
- わき腹や腰の痛みを訴えます。
- 下腹部に痛みを感じます。
- 背中に痛みを感じることもあります。
対処法としては?
対処法①
一番大事なことは、膀胱炎と分かった時点で、膀胱炎を徹底して治療すること、それも自己判断ではなく、尿検査などで症状回復を確認しておくことが必要です。
対処法②
再発を防ぐこと。
対処法③
膀胱炎の症状がある中での発熱は、高熱・微熱に関係なく、早急に受診することです。女性は、婦人科でも、内科でも問題はありません。
対処法④
外陰部周辺を常に清潔を心がけること。
対処法⑤
膀胱炎の原因は、細菌・雑菌が繁殖して炎症を起すからで、尿が溜まると、細菌の動きが更に活発化するので、水分補給を充分にして、排尿が絶えずうまくいくように促すことが大事です。
最後に
今回は、膀胱炎の熱について解説してきました。膀胱炎そのものは、決して怖い病気ではありません。現在は良い抗生物質の薬もあり、妊婦の方も安心して服用できます。
しかし、治療の過程で尿道から膀胱へ侵入した細菌が、理由はまだ明らかではありませんが、何らかの理由で、尿管をさかのぼりして、腎盂へ上がって、腎臓に炎症を起した場合に、腎盂腎炎の可能性が起こります。
その他にも、敗血症や前立腺などの可能性・併発もあるので、膀胱炎の治療をおろそかにしないように。膀胱炎は、怖くない。しかし、膀胱炎を放っておくと、大変怖いです!