みなさんは、動脈硬化という言葉を聞いたことがあるでしょうか。聞いたことはあっても実際どのような状態なのかや、何がいけないのかなど不明な点も多いと思います。
そこで今回は、動脈硬化をはかる指数として登場した動脈硬化指数について解説したいと思います。
動脈硬化指数とは?
動脈硬化とは、血管内にコレステロールが溜まり、血管が細くなってしまうことで、スムーズに流れず、動脈が硬くなってしまうことを指します。
動脈硬化指数は、動脈硬化になる可能性をはかるための目安として導入されました。
算出方法は、総コレステロール値(TC)から、善玉コレステロール(HDL)を引き、悪玉コレステロール値(LDL)を出します。この悪玉コレステロール値を善玉コレステロール値で割ったものが、動脈硬化指数です(LH比)。
基準値は4.0とされ、この値を上回ると動脈硬化になる可能性が高くなるといわれています。
しかし、メタボリックシンドロームや糖尿病などの疾患をもっている方は、高中性脂肪と低善玉コレステロールがあるため、動脈硬化指数が高くならないことがあり、動脈硬化発症予防には、2.0、動脈疾患をすでにもっている場合は1.5以下が望ましいとされています。
動脈硬化になると、心筋梗塞などほかの疾患へのリスクも高まり、命にかかわる重大な事態をも招きます。
ただ、悪玉コレステロール値は低ければ低いほど良いというわけではなく、70mg/dlなど極端に低い場合は貧血や甲状腺の機能亢進症、がん、肝臓病、低栄養状態などほかの病気の可能性もありますので、注意が必要です。
動脈硬化にならないためには?
動脈硬化指数によって、動脈硬化になる可能性が測れるようになることがわかりました。
では、そもそもなぜ動脈硬化は予防しなくてはならない病気なのでしょうか。
さきほど、動脈硬化が血管が硬くなってしまうことだとご説明しました。血管は本来しなやかなため、体中に血液や栄養を行き届けることができます。しかし、これが動脈硬化によって硬くなってしまうと、十分な栄養が行きわたらなくなり、内臓機能の低下や、血液を送り出す心臓にも高負担となります。
さらに血管が詰まると、臓器や組織に血液が流れなくなるため、壊死してしまいます。
恐ろしい事態を招く前に、予防することが大切ですね。しかし、注意しなければならないのが、動脈硬化は「沈黙の殺人者」と呼ばれるほど、気が付きにくいという特徴があることです。症状が進行した段階で気が付くことが多く、こまめな健康診断が欠かせません。
また、動脈硬化になりやすい人としては、高血圧、高血糖、脂質異常症、高尿酸血症をもっている方や、肥満、運動不足、喫煙習慣のある方は注意が必要です。
予防の第一歩としては、まずこうした生活習慣の改善に加え、適度な運動、バランスのとれた食事、禁煙を行いましょう。
まとめ
一度なってしまうと他の疾患をも招く動脈硬化。予防するためにも、まずは動脈硬化の可能性を測る動脈硬化指数をしっかりと把握しておくことが大切です。
さらに、生活習慣の改善は、動脈硬化予防にとって欠かせません。日ごろの生活を振り返ってみて、予防の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。