
体が冷えたり疲労やストレスは体調を崩すばかりでなく子宮が収縮して妊娠中の方にとっては、切迫早・流産の原因にもなります。
妊娠中の方にとって子宮収縮は切迫早・流産など深刻な事態をまねくことになるため、薬剤などで子宮収縮を抑える必要があります。母胎とも健康に妊娠生活を送ることが望ましいですが、必要に応じて薬剤で対処するようにします。
今回はウテメリンの効果や副作用について解説します。
効果
ウテメリンはリトドリン塩酸塩を有効成分とする切迫流・早産の治療剤です。
切迫流・早産は子宮収縮が起こることで胎児に悪影響を及ぼしますが、ウテメリンの有効成分が子宮収縮を抑制することで収縮を和らげてくれます。
子宮の収縮には平滑筋が関与していますが、有効成分が平滑筋に存在するβ受容体に作用することで子宮の収縮を抑えてくれます。
ウテメリンには内服薬と点滴薬の2つがありますが、症状や緊急度によって使い分けます。
緊急度が高い場合は、効果が速やかに現れる点滴が使用されます。
内服する場合は、1回1錠を1日3回食後に内服します。また症状により適宜増減するようにします。
副作用
胎児などへの影響が少なく安全性に優れた薬剤ですが、稀に副作用が起こることがあります。
主な副作用には動悸、手指振戦、嘔気など見られることがあります。その他、不整脈、頻脈、顔面紅潮、しびれ、ふらつき、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等、血小板減少なども副作用として現れます。
重大な副作用には横紋筋融解症など筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中または、尿中ミオグロビンの上昇など見られることがあります。
このような症状が見られたときは内服を中止して適切な処置を受けるようにして下さい。
汎血球減少や血清カリウム値の低下など見られることがあるので、血液検査を行うなど状態を観察するようにします。
また、高血糖、糖尿病性ケトアシドーシスでは、母体と胎児に悪影響を及ぼす恐れがあるので異常がある場合は医師の指示に従い適切な処置を受けるようにして下さい。
甲状腺機能亢進症、高血圧症、心疾患など持病のある方は医師と相談しながら慎重に内服するようにします。
ウテメリンは切迫流・早産の治療剤ですが、妊娠16週未満においては、安全性が確立されていないため使用を控えるようにして下さい。
まとめ
ウテメリンは子宮収縮を抑える作用のある切迫流・早産の治療剤です。
疲労やストレス、過度の運動は母体や胎児に負担がかかり切迫流・早産の原因となります。快適な妊娠生活を送るためにも規則正しい生活や十分な休息、栄養バランスの摂れた食事など日常生活に気を付けながら生活するようにしましょう。
ウテメリンの副作用は上記のように頭痛や動悸などがありますが、それらの対処法をより詳しくみていきましょう。