インフルエンザは地域によってはすでに流行の兆しを見せており、インフルエンザ警報が出されているところもあるようです。インフルエンザの薬といえば、タミフルが有名です。
タミフルは直接インフルエンザウイルスに作用する世界初の薬で、効果の高さから日本でも2001年に保険の適用内となりました。
同時にタミフルを他の薬と併用するのは大丈夫なのかということも懸念されています。今回は、そんなタミフルの飲み合わせについての記事です。
タミフルの効能
タミフルは、主にA型・B型のインフルエンザウイルスの増殖を抑えるための薬です。そのため、解熱剤などと併せて処方されることがあります。
また、新型インフルエンザウイルスに対しての効果も見込まれており、服用すると通常よりも1日から2日ほど早くインフルエンザが治ることが判明しています。
比較的インフルエンザの症状が早いうちに緩和されるので、途中で服用を止めてしまう人もいますが、処方された分はきっちりと飲み切るようにしましょう。耐性ウイルスが出てくる恐れがあります。
他の薬と併用する時の注意点
タミフルと他の薬を併用することは、基本的に問題無いとされています。ただし、強力な解熱鎮痛薬との併用は、原則として禁止されています。
ロキソニンやボルタレンなどの強い鎮痛効果を持っている薬は、解熱剤としても非常に優秀ですが、インフルエンザ脳症を引き起こす可能性があるので、効果の弱いものが推奨されています。
代表的な成分としてアセトアミノフェンがあります。ロキソニンやボルタレンなどに比べると、比較的効果は弱いものの安全性が高いため、タミフルと併せて処方されることが多い解熱成分です。
タミフルと異常行動について
気になっている人が最も多いのは、タミフルを服用することによる異常行動ではないでしょうか。タミフルが解禁されてから、「服用すると異常行動を引き起こしている」と大々的に報道されたことがあります。
厚生労働省でも、タミフルによる異常行動についての研究が進められており、現在はタミフルと異常行動について因果関係は無いとされています。
しかし、10代の未成年者への処方は今でも原則禁止とされています。理由としては報告されている症例から、10代がタミフル服用後24時間以内に異常行動を引き起こしている例が最も多いからです。
タミフルと異常行動について因果関係が無いとされている理由は、インフルエンザ脳症や脳炎に罹った場合も、同様の症状が見られるからです。そこにタミフルとの因果関係は今のところ見られないようです。
まとめ
タミフルには原則として、解熱鎮痛薬を除いて、飲み合わせが禁止されている薬はありません。
解熱鎮痛薬でもロキソニンやボルタレンなどの強い効果を持っている薬との飲み合わせは、インフルエンザ脳症を引き起こすリスクが高まることから禁止されていることがあります。
基本的には、医師や薬剤師に常用している薬と併用しても問題ないかを確認するようにしましょう。それが自分の身を守るための最善の方法ではないでしょうか。