「カロナール」は、解熱鎮痛剤として、小さな子供から広く使用されています。ですが、実際のところ、頭痛や生理痛に使う場合は何錠飲めばいいのでしょう?また、大人と子供で違いはあるのでしょうか?気になりますよね。今回は、そんな疑問にお答えしていきたいと思います。
目次
カロナールとは
まず、カロナールってどんなお薬なのかご紹介します。
成分は?
カロナールの成分は「アセトアミノフェン」です。このアセトアミノフェンは、市販の風邪薬にもよく配合されている解熱鎮痛剤です。
「解熱鎮痛作用があるってことは、ロキソニンと同じような薬?」と思ったりしますが、ロキソニンとは、異なる作用機序で熱を下げたり、痛みを抑えると考えられています。
アセトアミノフェンは、とても古くからあるお薬なのですが、どのように作用して解熱鎮痛効果を発揮しているのか、詳細は、未だ明確になっていませんが、脳に作用することで熱を下げたり、痛みを抑えたりすると考えられています。
ヒトの体温は、脳の視床下部にある体温調節中枢がコントロールしています。また、痛みの認知も脳で行っています。アセトアミノフェンは、脳の体温調節中枢や痛みの認知に関わる部位に作用して、解熱鎮痛効果を示します。
効能・効果は?
カロナールの効能・効果は、大きく以下の3つに分けられます。
(1)一般的な症状
- 頭痛
- 耳痛
- 症候性神経痛
- 腰痛症
- 筋肉痛
- 打撲痛
- 捻挫痛
- 月経痛
- 分娩後痛
- がんによる疼痛
- 歯痛
- 歯科治療後の疼痛
- 変形性関節症
(2)急性上気道炎の症状
- 解熱
- 鎮痛
*急性上気道炎には、急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含みます。
(3)小児科領域の症状
- 解熱
- 鎮痛
*(1)と(2)でも、用法・用量が異なってきますので注意が必要です。
頭痛や生理痛に使う場合は?
それでは、本題の「頭痛や生理痛に使う場合と子供に対して使う場合の投与量」についてご紹介します。
カロナールの頭痛や生理痛に対する用法用量は、通常、成人には、アセトアミノフェンとして
- 1回 300mg~1,000mg
- 4~6時間以上の間をあけて服用
- 1日最大量は4,000mg
です。
また、通常、幼児及び小児には、アセトアミノフェンとして
- 体重1kgあたり、1回10~15mg
- 4~6時間以上の間をあけて服用
- 1日総量は、60mg/kgが限度
成人の(2)の場合の用量を超えないとなっています。
したがって、1回の最大投与量は、アセトアミノフェンとして500mg、1日の最大投与量は、アセトアミノフェンとして1,500mgです。
この量を超えてはいけません。低出生体重児や、新生児及び生後3ヶ月未満の乳児への安全性は確立していませんでの、使用は、そして、どちらも空腹時の投与は避けることが望ましいとされています。
何錠飲めばいいの?
次にカロナールは、規格が3種類ありますので、「各錠剤を何錠ずつ飲めばいいか」についてまとめます。子供の場合の1回量の目安は、カロナールの添付文書記載量に準じています。
カロナール錠200の場合
カロナール錠200は、アセトアミノフェンを1錠中200mg含有する製剤です。
大人の場合
- 1回1.5錠~5錠
- 1日最大20錠
子供の場合
体重ごとの目安は、以下の通りです。
- 体重10kg:1回0.5錠(半錠)・1日最大3錠
- 体重20kg:1回1錠~1.5錠・1日最大6錠
- 体重30kg:1回1.5錠~2錠・1日最大7.5錠
カロナール錠300の場合
カロナール錠300は、アセトアミノフェンを1錠中300mg含有する製剤です。従って、
大人の場合
- 1回1錠~3錠
- 1日最大13錠
子供の場合
- 体重20kg:1回1錠・1日最大4錠
- 体重30kg:1回1錠・1日最大5錠
カロナール錠500の場合
カロナール錠500は、アセトアミノフェンを1錠中500mg含有する製剤です。
大人の場合
- 1回1錠~2錠
- 1日最大8錠
子供の場合
子供の1回限度量が500mgですので、500mg製剤の使用は、1錠未満となりますので、実用的ではないですね。
まとめ
今回は、カロナール錠の服用錠数についてまとめましたが、カロナールの成分アセトアミノフェンは、比較的副作用が少ないとはいわれていますが、過量投与や高用量の長期投与で重篤な肝障害を起こすことがあります。
カロナールの使用は、必要最小限にとどめるのが良いですね。医師の指示をしっかり守って、用法用量を守って使用しましょう。
また、カロナール服用中は、市販のアセトアミノフェン配合の風邪薬との併用は、過量投与に繋がる可能性がありますので、注意が必要です。