風邪の症状のひとつに咳がありますが、咳は体力を消耗して状態が悪化する場合があります。特に咳が長引くことで気管支炎を発症して回復までに時間がかかったり、症状が進行して喘息など起こしてしまうことがあります。
咳は痰やホコリなど異物を排出させるための体の防御反応ですが、咳き込んだり、夜間の就寝に影響するなど辛い症状なので、薬剤を用いて咳を鎮めるのが効果的です。
今回は咳止めの薬アスベリンの効果や副作用について解説します。
効果
アスベリンはチペピジンヒベンズ酸塩(チペピジンクエン酸塩相当量)を有効成分とする非麻薬性中枢性の鎮咳剤です。
主に感冒、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺炎、肺結核、気管支拡張症等に効果を発揮します。
有効成分のチペピジンヒベンズ酸塩は咳の発生する中枢に働きかけ、咳が出るのを抑えてくれます。
また気管支腺の分泌を増加させ、気管の線毛運動に働きかけることで、痰を薄めて痰を排出させやすくしてくれます。
内服用量・用法は、成人では1日66.5~132.9mg(チペピジンクエン酸塩60~120mg相当量)を3回に分割して内服します。小児においては年齢により用量が異なり、年齢に合わせた用量を1日3回分割して内服します。
- 1日1歳未満5.54~22.1mg(同5~20mg相当量)
- 1歳以上3歳未満11.1~27.7mg(同10~25mg相当量)
- 3歳以上6歳未満16.6~44.3mg(同15~40mg相当量)
アスベリンには錠剤の他、シロップやドライシロップなど種類があるので、年齢などに合わせて処方してもらいましょう。
鎮咳作用は、内服後30分〜1時間程度で効果が現れ、約5時間〜6時間継続します。
副作用
アスベリンは副作用が少ない安全性の高い薬剤と言えます。
主な副作用は食欲不振、便秘などの症状です。その他、眠気、不眠、、めまい、口の渇き、胃部不快感、膨満感、軟便、下痢、悪心、掻痒感などです。このような症状が見られたら医師に相談して適切な薬剤を処方してもらいましょう。
また、高齢者の場合、身体の機能が低下していることがあるので、少量から開始したり、減量するなど状態に応じて用量を変えて下さい。
過剰投与では眠気、めまい、興奮、せん妄、見当意識障害、精神錯乱など現れます。この様な症状が現れたら、医師による適切な処置を受けるようにして下さい。
アスベリンによる眠気やめまいについて
上記の通り、アスベリンの副作用として眠気やめまいがありますが、これはそれほど強いものではありません。アスベリンによる副作用としての眠気やめまいが起こることはそれほど報告されておりません。
もしアスベリンを服用中に強い眠気やめまいが起こる場合は、用量があっているか、他に飲み合わせている薬はないかなどをご確認ください。
まとめ
アスベリンは咳を鎮める鎮咳薬です。
風邪などで咳が出ることがありますが、咳が出るとゆっくり休養できず、体力を消耗してしまうことがあります。早めに咳を鎮めることが効果的ですが、咳は異物を排出する役割があることも覚えておきましょう。
休息を妨げるような咳や、咳き込む場合は、症状が悪化しないためにも早めにアスベリンを内服して症状を和らげてあげてください。