健康診断などで白血球が多いと言われると、何か悪い病気なのではないか、白血病ではないかと不安に感じるかもしれません。白血球が基準値より多くなることは好ましい状態ではありませんが、白血球数は一日のうちでも変動します。そこで、今回は、白血病になると白血球数はどうなるのかを病気の症状とともに数値についてもみていきたいと思います。
白血病とは
白血病というと難病とイメージされる方も少なくないと思います。たしかに、発見時期や症状によっては治療が難航することもあります。しかし早期発見、正しい治療を行えば決して不治の病ではありません。
白血病とは、一言で言うと血液のがんです。人の体を動かすためには血液によって体の細胞や臓器に栄養を運ぶことが必要です。血液は骨髄のなかで製造され、血液細胞は赤血球、血小板、白血球などがあります。白血球はリンパ球、顆粒球、単球をまとめた呼び名です。
造血過程において、血液細胞が骨髄系とリンパ系にわかれ、それぞれ止血作用や抗菌作用などの働きを担います。しかし白血病にかかってしまうと、正常な血液がつくられず、がん化した血液がつくられてしまうのです。
白血病と白血球数の関係は?
では、白血病にかかると白血球数が増えてしまうのでしょうか。健康診断やほかの病気の検査などで白血球数が増加していることが指摘され、白血病が疑われることがあり、たしかに白血病患者の方の白血球数は健康な人と比べて非常に多い傾向にあります。
通常の数値としては、「血液1μl(マイクロリッター)」あたり、4,000~9,000個くらいありますが、白血病と診断された方の中には、25,000程ある場合もあります。
しかし、白血病であっても大きな増加はない人もいますので、白血球数だけでは診断することは難しいです。また、白血球数が多くても他の病気である可能性もあります。白血球は本来、異物に対してあらがう働きがあり、細菌やウイルスと闘う役割をもっています。
したがって、インフルエンザや風邪といった他の病にかかっている時も増加傾向にあります。1日のなかでも変動したり、妊娠中などには上がりやすいとも言われています。
白血病の診断には、白血球数や赤血球数などの数値の測定にて異常が見つかることに加え、骨髄液を吸引して検査する骨髄生検、問診が必要です。
症状と治療は?
白血病はがん化した血液細胞が増殖するため、大きなエネルギーを必要とし、抵抗力や免疫力の減少、体重の減少などがみられます。
また、止血作用をもつ赤血球も減ることから、アザができやすくなったり、歯茎から出血が止まらないなど出血が多くみられることもあります。これらの症状に加えて疲労感や発熱といった症状も白血病の代表的な症状として挙げられます。
しかし、いずれの症状もなく病気が進行しているというケースも少なくありませんので、こまめな血液検査をはじめ健康診断は欠かせません。
治療としては、抗がん剤による白血病細胞を減らず治療を行い、血液中の白血病細胞を全体の5%以内に抑える治療がとられます。
この状態を寛解といい、この状態になるとさらに地固め療法として、白血病細胞をを減少させ根絶する治療が行われます。この地固め療法においても強い抗がん剤が用いられますが、再発防止のためには欠かせない治療です。
まとめ
白血病は異常な血液細胞が増えてしまう血液のがんです。その診断に白血球数の検査は欠かせませんが、数値が上でも必ずしも白血病というわけではありません。
多角的な診断とともに、ほかの病気であっても白血病でも早期に治療を開始することが大切です。定期的な健康診断をして、体の見えない不調もきちんと把握しておきましょうね。