
「間質性膀胱炎(かんしつせいぼうこうえん)」とは少し聞きなれない病気ですが、どのような病気なのでしょう?今回は、そんな間質性膀胱炎の原因や症状、治療法、治療薬といった情報についてまとめていきたいと思いますので、是非ご覧くださいね。
目次
原因
間質性膀胱炎とは、急に尿意をもよおし我慢できず、昼夜にかかわらず頻尿となり、膀胱の痛みを伴う病気です。
よく知られている膀胱炎は、尿路に細菌が感染することで、頻尿になり、排尿時痛などを起こしますが、抗生物質によって治ります。
しかし、間質性膀胱炎の場合は、尿はきれいで、細菌感染が原因ではありません。間質性膀胱炎の原因には、さまざまな説がありますが、未だ明確にはなっていません。
何らかの原因で膀胱粘膜の表面を保護する部分に異常が起き、粘膜に尿が浸み込みやすくなって症状を起こすなどが考えられています。
症状
間質性膀胱炎には、下記のような症状が見られます。
- 昼・夜にかかわらず何度もトイレに行きたくなる
- 排尿時や排尿後に膀胱や尿道口に痛みがある
- 膀胱に尿がたまってくると痛みが増して、排尿すると軽減する
- 尿はきれいで、細菌感染はない
通常の膀胱炎(細菌性の膀胱炎)の症状に似ていますが、中でも尿がたまると膀胱の痛みが増し、排尿すると軽減するのが、間質性膀胱炎の典型的な症状です。
また、炭酸飲料や柑橘類など酸性のもの、コーヒー、香辛料などの摂取で痛みが増強する場合があるようです。
治療法(薬)
治療法には、膀胱水圧拡張術や食事療法などいくつかありますが、ここでは、薬物療法について見てみましょう。
内服療法
抗うつ薬
抗うつ薬の中でも三環系抗うつ薬で、痛みの刺激を抑える効果や膀胱を広げる効果があります。
抗ヒスタミン薬
膀胱の炎症により頻尿などの症状が起きている場合が多く、炎症を起こす物質ヒスタミンの作用を抑えることで、症状の軽減を期待しています。
抗アレルギー薬
抗アレルギー薬のトシル酸スプラタスト(アイピーディ)は、間質性膀胱炎の症状改善に対して効果があることが報告されています。
膀胱内注入療法
薬を膀胱内に直接注入する方法もあります。
DMSO(ジメチルスルホキシド)
炎症を抑え、鎮痛、筋肉を弛緩させる効果があるといわれています。
ヘパリン
炎症を抑える効果、粘膜の表面を保護する効果があります。
まとめ
間質性膀胱炎は、頻尿や排尿時痛など通常の膀胱炎(細菌性の膀胱炎)と似た症状を示しますが、細菌感染はみられず、抗菌薬(抗生物質)では治りません。原因は、未だ明確にはなっていません。
薬物療法には、抗うつ薬・抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬が用いられることもありますし、膀胱内に直接薬(DMSOやヘパリンなど)を注入する療法もあります。
また、トイレの回数が増えたり、排尿時に痛みがあるなどの症状が見られる場合は、早期に医師の診察を受けましょう。