肝硬変とはその名の通り肝臓が硬くなり肝機能が悪くなる病気です。治療が難しく様々な体の不調が伴い場合によっては生命にも関わります。
その反面肝臓は「沈黙の臓器」とも言われ初期の内は自覚症状が出にくいため発見が遅れる事もあり注意が必要です。ここでは、肝硬変という病気について、そして、合併症の内で最も多い「腹水」について調べてみたいと思います。
肝硬変とは
肝臓は私たちの身体の中でも再生能力の高い臓器であるのですが、肝炎やアルコールなどが原因となり細胞が破壊され続けていくとその再生能力に限界が訪れます。
そうなると肝臓の中に繊維が増え硬くなり、ごつごつとしたこぶだらけになった状態が肝硬変です。肝硬変になると肝臓は血液循環が正常に行われず肝臓はその重要な働きが出来なくなってしまいます。
肝硬変は初期の頃にはほとんど自覚症状がない事が多く、気づいた時には肝機能がかなり落ちている状態で様々な合併症も起きてきます。
腹水について
肝硬変の合併症の中で最も多いと言われるのが「腹水」です。腹水は血管やリンパ管から水分が漏れ出して、お腹の中に溜まっている状態で大量に溜まると腹部全体が膨満します。
腹部の膨満のため呼吸困難などの症状が起きるため床上安静を保ち、ナトリウムの摂取制限や利尿剤、腹水穿刺などの治療が行われます。腹水は肝硬変が進行した時に起こり危険な状態にあると考えられていますが、余命という点では一般的に「不明」と言えます。
腹水の症状が出るという事は肝硬変が重症であるということではありますが、肝硬変の余命に影響するのは腹水ではなく、肝臓がん、食道静脈瘤破裂などの消化管からの出血・肝不全です。
つまり、これらの病気に対して適切な治療が行われる事により腹水があっても、余命の期間を長く出来ると言えるでしょう。
まとめ
肝硬変により腹水が発生した場合、完治は難しくても重症化を防ぎ生存期間を延ばすことは可能です。余命の数値はあくまでの指標であるという事を頭に入れておきましょう。
また、肝硬変は肝炎ウイルス感染、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎などの病気の影響によっておこります。
一旦肝硬変になってしまうと治療できる薬剤などはほとんどないため、肝硬変を予防する事が大事なポイントです。原因となる病気について知り、早期発見と早期治療と共に日頃の食生活やアルコールの摂取について気を付けていく事も重要です。