脳梗塞の患者を看護することになった場合、看護における観察項目はどんなものがあるのでしょう?ここでは、そんな脳梗塞の看護で基本となる観察項目について、急性期・慢性期・回復期の3つの段階ごとに分けて紹介していきたいと思います。
急性期での観察項目は?
急性期には、脳浮腫や出血性梗塞により、「頭蓋内圧(ずがいないあつ)」が高くなってきます。その結果、意識障害を引き起こすことがとても多くなります。
したがって、「呼吸の回数やリズムは正常か」や「血液はきちんと体内を循環しているか」をよく観察、看護していくことが重要となります。
急性期は血行の改善と頭蓋内圧の治療が基本となるので、命の危険があるこれらの異常をいち早く発見することが看護師にとってとても重要な要素となるのです。
慢性期での観察項目は?
慢性期においては、まず、急性期を脱したことにより命の危険は回避できたので、早期の社会復帰を目指すこととなります。
そのため、この時期での観察項目は、「運動機能に障害があるか」や「ADL(日常生活動作)が自立してできているか」、「歩行時に転倒のリスクはないか」というものが挙げられます。
また、病状によっては認知機能に問題がないかどうか、言語障害はないかなどもよく観察していく必要があります。
回復期での観察項目は?
回復期では、最も重要なのは再発の防止です。脳梗塞は一度発症するとその後も再発する恐れがあるので、そうならないための看護や指導をしていくことが重要です。
ですから、「塩分の制限」や「食事の指導」を早い段階からきちんとしていく必要があります。この時、脳梗塞の重症化や合併症の予防にもよく気を配っていきます。また、社会復帰のためのリハビリテーションも積極的に行っていきます。
まとめ
今回は、脳梗塞の看護での観察項目を急性期・慢性期・回復期と3つの期間に分けて、見てきましたが、いかがでしたか?
脳梗塞にはその段階ごとによく注意して観察しなければならない項目がたくさんあったのです。中には患者さんの命の危険にも関わるものもあるので、それらには特に気を使わなければなりません。
また、再発防止のための指導も徹底的に行う必要があります。脳梗塞の患者は慢性的に食生活が乱れている場合が多いので食事指導は特に重要です。
これらのことをよく理解していただき、脳梗塞の患者を看護する際の観察項目の参考にしていただければと思います。