うつ病、という名前は世間に浸透しておりますが、こちらの名前はさほど知られていないようです。しかし世間的にはこちらの型のうつ病の方が増加傾向にあります。うつ病ってほどじゃないけど憂鬱な時が多い…と言う方はご用心。一度チェックしてみてください。
非定型うつとは
非定型精神病の一種で、典型的なうつ病とは別のカテゴリになります。
原因
基本的に元来のうつ病と同じく、環境が要因のものがほとんどです。しかし、非定型うつは人格面と環境面の2つの要因の不一致によって発症することが多いそうです。
特に我慢して「良い子」を演じていた、プライドがあり、人に弱みを見せられない人に多い傾向にあります。
また、生育環境も影響しやすく、養育者から愛情をもって育てられた経験が少なかったり、周囲の大人が喧嘩する姿を見て恐怖を覚えたりした人も発症することがあります。
症状
典型的なうつ病との大きな違いは落ち込む時間帯や落差です。うつ病は午前中が辛い時間帯といわれていますが、非定型うつは主に夕方から症状が出ると言われています。
さらに言うと、症状がうつ症状で出るとは限らず、極端に明るい躁状態で出ることもあるそうです。
また、好きなことを楽しくやれるといった傾向もありますが、これも気分の波によって変わる場合もあり、非定型うつ病でも好きなことが楽しめなくなるといった症状はあるそうです。
他には、うつ病は「寝不足(夜中に起きてしまう、熟睡ができない)」の症状が多いのに対し、非定型うつ病は「過眠(必要以上に寝てしまう、起きるべきときに起きる事ができない、眠りの深い時間が長い)」の症状が多い傾向にあります。
ただ、どちらの病気も満足いかない睡眠が原因で自己嫌悪に陥り、落ち込む人が多いそうです。
治療法(薬)
投薬に関しては非定型うつ病とうつ病で大きく投薬が変わるわけではなく、抗うつ剤や睡眠剤が処方される事は同じです。「過眠の症状があるのに睡眠剤?」と思う方もいらっしゃると思います。
しかし、非定型うつ病でも寝つきが悪い、眠るべき時間帯に眠れないという症状は多く、特に生活改善のためにも睡眠剤は処方される場合が多いです。
また、非定型うつ病の治療薬として、気分安定剤が処方されることもあります。
これはもともと「双極性障害(躁鬱病)」の治療に用いられる薬ですが、非定型うつ病も実は双極性障害と同類の病気になります。
というより非定型うつ病を悪化させたのが双極性障害と言っていいでしょう。非定型うつ病はある程度の行動が必要なため、その行動を助けるための薬として用いられます。
最後に
非定型うつ病の場合、「ちょっと」の頑張りが回復と再発未然に繋がります。非定型うつ病は拒絶過敏性といって自分が傷つくことに敏感な場合がとても多いです。
それは投薬では完治できることでなく、訓練によって改善していきます。このような訓練を認知行動療法といい、うつ病、認知症など脳障害の病気に対して非常に多く使われています。
いつまでも敏感では相手だけでなく自分も疲れてしまう、それをなくしていくために、本当に少しずつの頑張りが病気の改善に繋がるのです。