食事は、生命維持のためだけではなく、おいしいものや好きなものを食べることで、自律神経を整え、体調の安定や、ストレスの軽減にもつながります。
そんな楽しみのひとつである食事の際に、吐き気があると憂鬱になってしまいますよね。食事中に吐き気が起こる原因や病気、その対処法などについてご紹介致します。
食事中の吐き気の原因は?
吐き気は、脳の中枢神経の嘔吐反射中枢がなんらかの刺激を受けることにより起こります。胃の内側の圧力が高まったり、お腹の圧力が高くなったりして、食べたものや胃液などが嘔吐となります。
このような状態は、過度なアルコール摂取や食中毒など、からだに危険な物質が入ってきたときに排除するための大切な防御反応です。
食事中の吐き気は、胃腸の調子が悪いときや、風邪などの感染症にかかっているとき、直接の原因が消化器に問題がなくても、肝臓や膵臓の機能が低下することによるものもあります。
他にも、心因性のストレスがある場合でも食事中に気分が悪くなり、食事が喉を通らないということもあります。
ここからは、「急性胃炎」と「急性膵炎」という病気が原因で食事中に吐き気が起こる原因について見ていきます。
急性胃炎の場合の対処法
胃の粘膜に炎症を起こすことにより、食欲不振や吐き気、胃の痛みなどの症状がでます。
酸の強いものや辛いものなどの摂りすぎ、過度な飲酒、風邪などの感染症の併発、腰痛や頭痛などの改善のため鎮痛剤の服用、過度なストレスなど、胃炎の起こりやすい原因が日常生活ではたくさんあります。
考えられる原因を取り除き、医療機関で治療薬を使用し、刺激物などを避け数日は消化の良いものを少量ずつ摂取しましょう。
軽い症状であるからと、特に対処せず生活改善も行わないでいると、慢性の胃炎になってしまうことも多いので、初期のうちに適切な治療を行いましょう。
急性膵炎の場合の対処法
食事中や食後に、ムカムカするような気分の悪さや吐き気があり、胃の部分だけでなく背中の方にまで痛みがあるような場合、「膵炎(すいえん)」になっている可能性もあります。
胃から十二指腸へと移動してきた食べ物を、膵臓から消化酵素を分泌して食べ物の分解を助けます。この膵臓に炎症があると、十分に食べ物が消化分解されず、吐き気の症状となり表れることがあります。
過度な飲酒や血液中のコレステロール値が高くなる脂質異常などは、膵炎になりやすい原因にもなるので、生活改善が大切です。
膵炎は胃の病気と症状が似ていたりして、診断が難しかったりしますが、進行すると命にかかわることもあるので、初期の段階から医療機関での治療が必要です。
最後に
胃がんなどがあっても、食事中に胸焼けや吐き気などを感じることがあります。
単に消化不良なのかな?などと自己判断で済ませず、長引く体調不良がある場合は、どんな病気が隠れているかわからないので、早期発見のためにも、症状を細かく伝え、医療機関で検査を受けましょう。
また、ストレスなど心因性の吐き気の場合は、からだに病気などがなく健康な状態でも食事の際、嘔吐してしまったりすることもあるので、心の健康を保つことも大切です。