ここ数年、TVやネットなどのメディアで話題になっている「PM2.5」ですが、どのようなものを指すのでしょうか。また、その成分にはどんなものがあるのでしょうか。ここでは、PM2.5の意味と成分についてまとめていきたいと思います。
「PM2.5」という言葉の意味
PM2.5の「PM」とは「Particulate Matter」の略語で、日本語では「粒子状物質」という意味になります。また、「2.5」とは「2.5μm以下」という物資の大きさを指します。
両方を合わせると、PM2.5とは「2.5μm以下の粒子状物質」を意味し、日本語では「微小粒子状物質」という語に訳されます。
ちなみに、「μm(マイクロメートル)」は、1mmの1,000分の1の大きさ、0.001mmを指す言葉です。また、物質の形態が、固体であっても液体であってもPM2.5と呼ばれます。
PM2.5の成分一覧
硫黄酸化物
主に化石燃料の燃焼により発生します。鼻や口から侵入することで、呼吸器の炎症を引き起こすことがあります。かつて、四大公害病と呼ばれたものの1つ、「四日市ぜんそく」はこの硫黄酸化物が原因となり生じました。
窒素酸化物
主に自動車の排気ガスや天然ガスボイラーの排気に含まれます。また、石炭の燃焼によっても発生します。気管支炎や肺水腫を引き起こすことがあります。
揮発性有機化合物
トルエンやベンゼン、フロンやジクロロメタンなどの大気中で揮発しやすい有機化学物質全般を指します。主に溶剤や燃料に用いられており、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因となる物質も多く含まれています。
ディーゼル排気微粒子
ディーゼル車の排気ガスに含まれ、PM2.5の大部分を占めていると言われています。気道や肺に沈着し、喘息や気管支炎、肺癌といった症状を引き起こすとされています。
その他の成分
その他にも、以下のような成分が含まれます。
- 煤煙
- 粉塵
- 黄砂などの土壌粒子
- 海塩粒子
- タイヤ摩擦粉塵
- 硫酸塩
- 硝酸塩
- アンモニウム塩
- 鉛
- カドミウム
- バナジウム
- ニッケル
- 銅
- 亜鉛
- マンガン
- 鉄
*これらは、あくまでもPM2.5の成分の一部に過ぎません。
まとめ
今回は、PM2.5の意味と成分について見てきました。一口にPM2.5と言っても、その成分は多種多様です。ですが、どの物質であっても体内に取り込まないにこしたことはありません。
日本気象協会の「PM2.5分布予測」などを参考にして、飛散量の多い日は、マスクやメガネを着用し、体内に入れないようにしましょう。