夏場に耳にすることがある「光化学スモッグ注意報」や「光化学スモッグ予報」ですが、そもそも光化学スモッグとはどんなものなのでしょうか?また、注意報や予報は、どのように区分されているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
目次
光化学スモッグとは
簡単にまとめると光化学スモッグとは、「太陽などの光が原因となって、大気中の窒素酸化物と炭化水素が化学反応を起こすことで発生するスモッグ」を意味します。
窒素酸化物や炭化水素と聞いてもピンとこない方も多いかもしれませんね。簡単に言ってしまうとどちらも自動車の排気ガスや工場の煙に含まれる物質です。
これらの物質が太陽光によって化学反応を起こすことで、オゾンなどの物質に変化し、大気を汚染します。大気が汚染されると画像のように地平線が霞んで見えなくなってしまいます。
光化学スモッグの原因は?
先ほども説明したように光化学スモッグは、自動車の排気ガスや工場の煙が原因となって引き起こされます。1970年代の高度経済成長期の日本では、頻繁に観測されていましたが、それ以降では徐々に減少してきていました。
ただ、最近では、PM2.5でも知られているように中国が原因の大気汚染の1つとして、観測されることも多くなってきています。
光化学スモッグが発生しやすい条件は?
光化学スモッグは以下の4つの条件が揃うことで発生しやすくなります。
- 太平洋高気圧に覆われている(夏型の気圧配置)
- 最高気温が25度以上
- 無風、または風が弱い
- 日中に2時間半以上晴れている
注意報・予報で違いはあるの?
「光化学スモッグ〜」には、学校予報・予報・注意報・警報・重大警報の5種類があります。ただし、地域によって基準や名称が異なる場合もありますのでご注意ください。(ここでは、東京都のものを参考にしています。)
光化学スモッグ学校予報
濃度基準が、0.001ppmの場合。
光化学スモッグ予報
濃度基準が、0.001ppm以上で、高濃度の汚染が予想される場合。
光化学スモッグ注意報
濃度基準が、0.120ppm以上の場合。(全国同一の基準です)
光化学スモッグ警報
濃度基準が、0.240ppm以上の場合。
光化学スモッグ重大警報
濃度基準が、0.400ppm以上の場合。(全国同一の基準です)
まとめ
まとめとして光化学スモッグとは、「太陽光が車の排気ガスや工場の煙に化学反応を起こさせることで発生するスモッグ」です。
また、「光化学スモッグ予報→光化学スモッグ注意報→光化学スモッグ警報」といった順に汚染濃度は増しますので、これらの発令を聞いたら注意するようにしましょう。