ムカデは、運動性の強い捕食性の虫です。ヒトの皮膚に咬みつく毒牙には、スズメバチと同等の毒を持ち、その毒には血液中の血球や体内のタンパク質を分解する酵素が含まれています。今回は、ムカデに噛まれたときの症状・応急処置についての記事になります。
ムカデに刺されたときの症状は?
ムカデに噛まれると針で刺されたような焼けるような激痛があり、患部が赤く大きく腫れます。またアレルギーのある人の場合、アレルギー症状が起き、発熱や浮腫が生じます。
稀にですが、10cm前後のムカデに咬まれると、ハチに刺されたのと同様の激痛や赤い腫れが出ることもあります。
応急処置はどうやるの?
温熱治療
ムカデに噛まれたら、真っ先に温熱治療を行いましょう。温熱治療とは、「患部に42-48度の温水シャワーを当てて、毒を洗い流すという治療法」です。
ムカデの毒に含まれるヒスタミンやポリヘプチドは、42度以上になると効力を失うので、急いで激痛を消失させるために効果的です。
キンカンを塗る
手元に「キンカン」があれば、すぐ患部に1分近く擦りこみましょう。ムカデの毒は酸性なので、キンカンのアルカリ性と中和し、痛みや腫れを和らげてくれます。
また、キンカンについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
お茶をかける
手元にキンカンがない場合、日本茶や番茶などのお茶でも応急処置が可能です。やり方は、お茶を50度程に熱し、ガーゼにたっぷり吸い込ませて、患部に当てるというものです。
こうすることでお茶に含まれたタンニンという成分が毒を中和してくれます。また、お茶を温めるのが難しい場合は、冷めたお茶でも効果があります。
応急処置の後は?
先ほど紹介した治療法は、あくまでも応急処置です。痛みや腫れが引くこともありますが、万一に備え、病院の皮膚科で相談することをおすすめします。
また、ムカデの毒はハチの毒と成分が非常に似ているので、小さいお子さんの場合、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。
発熱や目眩、吐き気や痺れ、意識障害などのアナフィラキシーショックの症状が現れた場合、すぐに救急車を呼ぶようにしてください。
どんな薬が効果的?
ムカデに噛まれた場合、抗ヒスタミン剤や強力なステロイド剤の入っている軟膏が効きます。市販薬では、画像の「ベトネベートN軟膏AS」がおすすめです。他には、先ほど紹介した「キンカン」も効果ありです。
まとめ
ムカデは「ただの虫だから」と軽く考えている人が多いのですが、噛まれると以外と危なかったりします。もし、噛まれてしまったら、ここまでで紹介した情報を参考にして適切な対処をするようにしてください。