虫に刺されるというと蚊や蜂をイメージするかたも多いかもしれません。ですが、ムカデも人を刺すことがあります。ここでは、そんなムカデに刺されたときの毒の対処法や応急処置・治療法について解説していきたいと思います。
ムカデの毒について
ムカデと一口に言ってもその種類はさまざまで、日本では約130種類のムカデが確認されています。代表的なものには、トビズムカデやアオズムカデ、アクズムカデなどがいます。
種類によっても体長は異なりますが、大きいものでは全長15cmにもなるので、いきなり見かけるとびっくりしてしまうかもしれません。
また、ムカデは体の大きさに関係なく、毒を持っているので小さいからと甘く見ていると危険です。
ムカデの毒は、ヒスタミンやセロトニン、ポリペプチドといった蜂の毒と似た成分でできています。刺されると、その箇所が赤く腫れ、ひどい場合には、吐き気や頭痛、発熱といった症状が引きこされることもあります。
また、蜂に刺された時と同様に、過去に一度刺されたことがあると「アナフィラキシーショック」を発症することもあるので注意が必要です。
毒への対処法と応急処置
よくドラマや映画などでは、蛇に噛まれたり、蜂に刺されたりすると口で毒を吸い出すシーンを見かけますね。
ムカデに刺された場合は、実際のところ、どんな対処や応急処置をするのが適切なのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
*ここで紹介しているのは、あくまでも応急処置です。ムカデに噛まれたら、できるだけ早く医師に診てもらうようにしてください。
①傷口から毒を出す
まずは、傷口から毒を出す必要があります。先ほど、書いたような口で吸い出すという方法は、衛生上あまり良いものではないので、指で押したり、ポイズンリムーバーを使ったりして毒を出しましょう。
②水で洗い流し、患部を冷やす
毒を出したら、流水で傷口をキレイにしましょう。その後、患部を冷やしてあげるようにしてください。
③安静にする
①と②が終わったら、後は安静にしていましょう。もし、ステロイド剤や抗ヒスタミン剤の入っている軟膏があれば患部に塗るようにしてください。
この時に吐き気や息苦しさを感じるようなら、ショック症状を起こしている可能性があるので、直ちに救急車を呼ぶようにしてください。
また、これらの症状が出ていなくても、病院で医師に診てもらうようにしてください。
温熱療法について
まだ、民間療法の1つと位置付けられているので、参考程度にお読みいただきたいのですが、ムカデの毒に有効な対処法に「温熱療法」というものがあります。
これは、ムカデの毒がタンパク質で構成されており、「タンパク質は43℃以上で失活する」という性質を利用した対処法です。
具体的なやり方は、シャワーなどで43℃以上のお湯を患部に20分以上かけ続けていき、その後、氷や保冷剤などで患部を冷やすというものになります。(冷やした後は、先ほど紹介した③に従ってください。)
シャワーでお湯をかける時は毒を絞り出すようにしてください。また、やけどをしないように注意して行いましょう。
治療法
ムカデに刺されたときの治療法は、基本的には対症療法になります。具体的には、局所麻酔や局所麻酔外用薬などが処方され、痛みを和らげていくという治療法になります。
また、病院を選ぶ場合には、皮膚科や内科で診てもらうようにしましょう。ただし、アナフィラキシーショックの症状が出ている場合には、救急車を呼ぶようにしてください。
まとめ
今回は、ムカデに刺されたときの毒への対処法や応急処置・治療法について解説してきました。ムカデだからと甘く見ずに、しっかりと対処できるようにしておきましょう。