風邪の引きはじめには「葛根湯」と言われるほど、葛根湯は誰もが知っているポピュラーな漢方薬です。そもそも漢方薬は生薬をいくつか組み合わせたもので中国では昔から使われており、体にやさしい薬と言われています。
一般的に副作用が非常に少ないということで安心して服用することができるのですが、それでもいくつか注意したい副作用はありますのでまとめていきたいと思います。
副作用一覧
- 食欲不振
- 下痢
- 動悸
- 過剰な発汗
- 不眠
- 発疹
- かゆみ
などです。
食欲不振や下痢などは葛根湯が原因かどうかを見極めるのが難しいのですが、そういう症状が出た場合は一度服用をやめて様子を見た方がいいでしょう。
生薬ごとの副作用
ここからは少し生薬ごとに可能性のある副作用について触れていきたいと思います。まず葛根湯の成分である麻黄 (まおう)には交感神経刺激作用のあるエフェドリンという成分が含まれています。
この成分により心臓や血管に負担がかかり、動悸を引き起こすことがあります。高血圧や心臓が悪い人などは注意が必要です。この交感神経刺激作用により覚せい作用が働き、それが不眠につながることがあります。
動悸も合わせて起こるとさらに眠れなくなります。対策としては寝る予定の数時間 (2~3時間)前に飲んだり、覚せい作用がプラスに働く朝に飲むというのも一つの方法です。
それと葛根湯には、甘草 (かんぞう)と呼ばれる生薬が含まれています。この甘草の作用によりいずれも軽微ではありますが、むくみや吐き気などが引き起こされると言われています。
本当に稀ではありますが、偽アルドステロン症を発症する場合もあります。また、桂皮(けいひ)という生薬により発疹やかゆみなどの症状が現れることがあります。
風邪の引き始めに対して葛根湯を飲むことが多いので長期間の服用というケースはあまりないとは思いますが、長期間服用することで食欲や性欲が減退するといった副作用が出る可能性があります。
あと副作用というわけではないのですが、飲みあわせという観点から不都合な場合もあります。
例えば、解熱鎮痛薬で熱を下げている場合は、葛根湯の発汗作用と効果が逆に働いてしまい、飲み合わせとして適切ではないケースも考えられます。
最後に
以上のようにいろいろな副作用について触れましたが、葛根湯をはじめ漢方薬の副作用は比較的軽いものが多く、重篤になることは本当にまれです。服用をやめればその副作用は改善されます。
ですが、高血圧であったり、腎障害、体力が衰えているご高齢の方などでは細心の注意を払って、必ずかかりつけのお医者様にご相談ください。