風邪の引き始めに効果があると言われている葛根湯は葛根を中心とした7つの生薬が成分でできた漢方薬です。漢方薬は基本的に副作用が少なく、体に対する負担も少ないので安心して服用できると言われています。
ただ、いくつかご注意いただきたい点、特にここでは他の薬剤との飲み合わせに焦点を当てて記載してみたいと思います。
要注意の成分
麻黄
葛根湯は先にも記しましたが、7つの生薬が成分として含まれています。その中で最も注意しなければならない成分が麻黄です。麻黄にはエフェドリンという成分が含まれています。
このエフェドリンは交感神経を刺激する成分で、気管支の炎症を緩和したり発汗を促したりする効果があります。このエフェドリンを摂取しすぎると動悸や頭痛が起こったり血圧が上昇します。
市販の風邪薬にはエフェドリンを含んでいるものがよくありますので、併用することでエフェドリンの摂取量が増えて副作用の発現する確率が高くなってしまいます。
また、コーヒーのカフェインも交感神経を刺激する作用があり、合わせて飲むと心臓などに悪い影響を及ぼす可能性がありますので注意が必要です。
甘草
次に注意しなければならないのが甘草です。この甘草にはグリチルリチンが含まれています。このグリチルリチンには喉の痛みなどを抑える効果があるのですが、過剰摂取すると血圧が上昇したり、むくみなどの副作用が現れます。
血中にあるカリウムの値が低くなって「偽アルドステロン症」を引き起こす可能性もあります。
グリチルリチンを含む甘草は他の漢方はもちろんのこといろいろな薬剤にも含まれていますので、その薬剤の成分をしっかりとチェックする必要があります。
飲み合わせについて
ここからは具体的にどういう薬剤と飲み合わせがよいのか、悪いのかを見ていきたいと思います。
抗生物質について
まず、抗生物質です。抗生物質は一般的に葛根湯と一緒に飲んでもよいとされています。
風邪薬について
次に風邪薬です。風邪薬には様々な成分が含まれており、先に示したエフェドリンを含んでいるものもあります。それぞれの風邪薬の成分をしっかりと確認することが大切です。
また、鎮痛薬のロキソンニンは一緒に飲んでも問題ないと言われていますが、バファリンに関しては少し注意が必要です。バファリンには体温を下げる効果がありますので、葛根湯による体温を上げる効果と拮抗してしまいます。
ですので、飲み合わせで副作用が起こるということではありませんが、少し葛根湯の効果が弱くなってしまう恐れがあります。
胃腸薬について
続いて、胃腸薬です。胃腸薬には先ほどご紹介した甘草が含まれていることが多いです。グリチルリチンの過剰摂取につながりますので、合わせて飲むのは控えた方がよいでしょう。
最後に
今回は、葛根湯の安全な飲み合わせと注意点について解説してきました。飲み合わせについてはもちろんのこと、副作用が出た際には必ずかかりつけの医師に相談してください。