激しい嘔吐や下痢などの症状が絶え間なく続く、ウイルス性胃腸炎。真夏のバーベーキューの時期、冬の乾燥した時期など、季節を問わず、流行のニュースを耳にします。今回は、ウイルス性胃腸炎の潜伏期間や感染経路についてまとめていきます。
食中毒とウイルス性腸炎
先ほど、ウイルス性腸炎の症状を挙げましたが、これらを見ると「食中毒と何が違うの?」と思われるかもしれません。
胃腸炎とは、細菌やウイルスの感染によって起こる胃腸の炎症を指します。そして、食中毒は胃腸炎の症状が、食品が原因で起こることを指します。
したがって、食中毒は胃腸炎の一種と言えます。胃腸炎は食品のほかにもストレスや、他の病に伴ってなどほかにも原因はあります。
では、胃腸炎のなかでもウイルス性とは何なのでしょうか。その名の通り、ウイルスが原因で起こる胃腸炎のことで、もっとも聞き覚えがあるのは、「ノロウイルス」などではないでしょうか。
一方、こちらもよく聞くO-157ですが、これは細菌が原因で起こる胃腸炎です。
ウイルスの潜伏期間は?
それぞれのウイルスごとにもその潜伏期間は異なりますが、ここではメジャーな2つのウイルスを取り上げてみたいと思います。
まず、ノロウイルスです。早ければ10時間以内、通常24~48時間の潜伏を経て嘔吐や下痢などの症状を発症します。
次に、ロタウイルスです。こちらはよく存在するウイルスで、しばしば保育施設などでの集団感染が生じたりします。このウイルスは、2~4日ほどの潜伏期間を経て発症します。
このように胃腸炎の症状は似通っていても、ウイルスごとに潜伏期間にばらつきがみられます。いずれのウイルスに感染しているかは、症状が出てから病院に行き、主に便の検査などを通して特定することができます。
どのように感染するの?
次にウイルス性胃腸炎の感染経路を見ていきます。主な感染経路は次の3つです。
- 経口感染
- 二次感染
- 飛沫感染
まず、1の経口感染ですが、ウイルスに汚染された水や食品を摂取することで感染します。
2の二次感染は、こちらは経口感染にも通じていますが、ウイルスに触れた手などをよく除菌せず手や、ウイルスが付着した部位から体内にウイルスが侵入することで感染します。
そして、3の飛沫感染は、ウイルス感染者の咳やくしゃみを体内に取り込むことで、感染します。以前ホテルなどの換気扇を通じて、集団感染してしまったニュースがありましたが、そのような例はこの飛沫感染の例です。
まとめ
筆者も一度経験したことがありますが、ウイルス性胃腸炎の苦しみは二度と経験したくもない辛いものです。日ごろから清潔な環境を心がけ、感染に備えましょう。
もし、身近にかかってしまった人がいた際は、触れた箇所や、患者が着ていた服などは、次亜塩素酸ナトリウムを使用し、十分に除菌するなどして二次感染に注意しましょう。