帯状に広がった発疹と昼夜間問わず訪れる痛み。帯状疱疹は誰にでも起こりうる病気の一つです。ただでさえ大変なこの病に、妊娠中にかかってしまったら、どう対処するべきなのでしょうか。今回は、妊婦が帯状疱疹になった際の注意点をご紹介します。
胎児への影響は?
そもそも帯状疱疹の原因は、体内に元から存在する水疱瘡ウイルスが、体の免疫機能の低下によって復活することにより生じます。活性化してしまったウイルスは、水泡となって皮膚表面に現れ、痛みを引き起こします。
妊娠中はただでさえ、免疫力が下がり病気に感染しやすい状態です。他人の帯状疱疹は感染しにくいとされていますが、免疫力が低下している状態のため、帯状疱疹にかかってしまう妊婦さんは少なくないようです。
妊婦さんが帯状疱疹にかかって一番心配なこと、それは、胎児への影響ではないでしょうか?しかし、これについてはあまり心配することはありません。
というのも、母親の帯状疱疹がお腹の中の子供にうつるということはないためです。ですので、一先ず安心してください。
注意すべきことは?
それでは、妊婦さんが帯状疱疹にかからないために、また、なってしまった際に注意すべきことを挙げます。
かからないために大切なこと
- 免疫力を下げないよう、栄養をしっかりと摂る
- ストレスをためない
- 規則正しい生活を心がける
- 昼寝なども取り入れ、しっかりと睡眠をとる
かかってしまった際に注意すべきこと
- すぐに病院に行く(必ず妊娠中であることを伝える)
- 妊娠初期は薬の服用を控える
- 水疱瘡症状が出たら要注意
最後の「水疱瘡症状」ですが、これまで水疱瘡にかかったことない方は要注意です。なぜならば、そういった方は帯状疱疹にかかると水疱瘡の症状が現れ、確率は高くありませんが、胎児が先天性水痘症候群になってしまうことがあるからです。これにより白内障、発達障害などを起こす可能性も否めません。
薬で治せるの?
風邪薬の服用でさえ禁止されている妊婦さん。帯状疱疹の際に薬での治療は不安です。では、どうのように対処したら良いのでしょうか。
通常帯状疱疹にかかると抗ウイルス薬と患部への塗り薬による治療を行います。また、痛みが激しいばあは鎮痛剤を用いることもあります。
妊娠前期においては、まだ赤ちゃんの体の形成段階にあるため、抗ウイルス剤や鎮痛剤が避けた方が賢明です。このような薬の服用により、胎児が奇形として生まれてきたという報告もあるからです。
また、妊娠後期においても、不安がある場合は、かかりつけのお医者さんに相談し、薬により治療に関する判断を仰ぐべきです。
加えて、家でできることとしていは、お休みをしっかりととること、栄養をとること、そしてお風呂に入るなどして患部を冷やさないことが重要です。
まとめ
妊娠という不安定な時期に、帯状疱疹になってしまったら更に不安を感じてしまうかと思います。しかし妊娠中の帯状疱疹は多いのも現実です。
なってしまっても、多くの人が元気な赤ちゃんを生んでいますので、まずは安心して治療に専念してください。そして一つでもストレスをなくして赤ちゃんと自分を一番に考えて、ゆっくりと過ごしましょう。